自粛生活で「料理」を始めたあなたへ。「日々の料理」担当さんからの悩みをシェアします(レシピ付き)

第5回 白央篤司の「家事の“ごはん作り”担当の皆さん、おつかれさまです!」
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イメージ写真と味噌ドレッシング
Getty

新型コロナの影響から「自粛」が求められ、エンドレスに続く家事の大変さがあらためて注目されています。日々のごはん作りを担当されている方、まずは毎日本当に、おつかれさまです! 炊事に関するお悩み、共有していきませんか。

そして「誰かに作ってもらっている人」も、ぜひ読んでください。ねぎらい合うためのヒントが、必ずやあると思います。

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フードライターの白央篤司さん
Kaori Sasagawa

 

第5回  東京都・柴丸・46歳


自粛で家にいるようになったパートナーが、料理を始めた。

以前から簡単な料理はたまにしていたが、自粛に入ってからはネットで自分が作りたいレシピを探し、調味料から材料を揃え、初心者なのに凝ったものを作りたがる。挙げ句の果てに、自己アレンジを加える。 

調理時間は何時間もかかり、キッチンはぐちゃぐちゃに。滅多に使わない調味料が増え、できあがりは大量。おかしなアレンジでそんなにおいしくない。

「おいしそう、うらやましい」「すごいですね、素敵!」

無責任なSNSの「いいね!」に乗せられて、料理でままごと遊びをしている。もういい加減にしてほしい。

最初は「おいしくない」とは言えず、「この調味料はこれで代用できる」「それをやってる間に、こっちを片付けたら?」などとアドバイスしてみたが、全く聞く耳を持たない。とうとう我慢ができなくなり、調理時間、材料費、自己アレンジの割には全然おいしくないと言ったら、ふてくされて……もう本当にめんどくさい。

食事を作ってくれる事には感謝するが、「自己満足のままごと」には全く感謝できない。私もパートナーの仕事場に数日間行って、デスク周りを勝手に変えたり、仕事の手順を変えたりして「この仕事楽勝!」みたいなことを、SNSにあげて「いいね」をもらいたい。

※お悩み相談はこちらから募集しています。

柴丸さん、おつかれさまです。困ったもんですねえ……と思いつつ、過去の自分を見ている気にもなり、ちょっと汗をかきつつ拝読しました。 

というのも、私も料理の入り口は「自分の作ってみたいものを作る」だったんですよ。あまりに好きなので、家でも食べられるようになったらいいな、と。ちなみにタイ料理でした。タイ独特の調味料や食材がキッチンにドンと増え、喜々として毎日のように作り続けていましたが……そのときはひとり暮し。誰かと住んでいたら、きっと相手は柴丸さんのような思いになったろうと思います。

「日々の料理」「趣味としての料理」の違い、そのギャップ。家事を担当する者と、そうでないものが共存するときに生まれがちな、とても普遍的な悩み。

家事としての料理は、連綿と続く日常であり、家の業務です。それに対して、趣味の料理というのは自分の楽しみとしてやること。非日常におけるレクリエーション的な行為。本質的に全然違いますよね。

ということを確認した上で、柴丸さんの抱えている悩みについて考えてみましょう。

 

「要らない調味料が増える」

趣味として料理を楽しむうち、「自分の作ってみたいもの」に必要な調味料や調理器具を買ってしまう。趣味を持つ人なら、似たようなことをされているはず。釣りにハマれば道具にも凝るし、トレーニングとか、あるいは舞踊系の習い事ならウェアや稽古着に凝ることも。

料理の場合は、家の中でキッチンは大体ひとつ。収納スペースも冷蔵庫の容量も限られています。あまり使わない調味料が増えて、日常の「業務」に必要なものが置けない、置きにくくなるというのは、ストレスですよね。

 

「調理時間が何時間もかかる」

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(写真はイメージ)
Daniel Megias via Getty Images

凝ったものを作りたがる、とありましたから、煮込み料理など時間のかかるものにトライしてるんでしょうか。うーん……個人的にちょっと、分かる(笑)。最初の頃って玉ねぎをキツネ色になるまで炒めてカレー作りしたり、スネ肉をじっくり煮てトロッと仕上げるシチューなんか作るの、私も好きでした。なんか「本格的なことやってる風の自分」がカッコよく思えたんですねえ。いや、柴丸さんのおつれあいがそうかどうかは分かりませんが。

これね、本人は楽しいけど一緒に暮らしてる人からすると、イラっとするもの。たとえば、家族の誰かが何時間もゲームをやってたとして、「まだやってんの⁉」って気持ちになるのと一緒じゃないかと。

「できあがりは大量」

「自己アレンジを加える」

「あまりおいしくない」

「キッチンがぐちゃぐちゃ」

趣味として作りたいものを作っている間って、結果にあまりこだわらないんですよね。トライしていること自体が楽しい。

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(写真はイメージ)
kumacore via Getty Images

もちろん、趣味の料理を作ることを否定する気は毛頭ありません。楽しく料理しつつ調理力や応用力をつけてもらい、そこから日々の自炊力を養っていければ理想的です。ただ共同生活している以上、「料理の結果」を日常にどう落とし込んでいくかを考えないと。

先に述べたような「買ってしまった調味料」をはじめ「調理にかかる時間」「作った料理の残り」「買ってきた食材の余り」「使った後のキッチン」などの処理、消費、片づけ、置き場所などもろもろのことも含めて。

でも、いきなりできるわけもない。

だから、まず最初に「相談」が必要だと思うんですね。相談とまでいかずとも、ひとこと声がけするだけでも全然違うはず。 

柴丸さんのおつれあい、もしくは似たような状況にある人は、買い出しに行く前に「今度は〇〇作ってみたいんだけど、どう?」と日頃の料理担当さんに話してみませんか。

「このレシピ、4人前だよ。うち2人暮らしだから、似たようなメニューで2人前になってるのがありがたい」

とか

「この料理だと新たに買わなきゃいけない食材が多すぎるね。自分のお財布でやるならしょうがないけど、家計じゃつらいよ」

とか

「仕込みから完成まで4時間かかるの……もっと早く食べたいんだけどな。来週の土曜は私出かけるから、そのときやれば?」

なんてやり取りができるかもしれない。

そして作りたいものを作ってみたら、次の回は「余った食材で何か作る」という回をもうけませんか。「消費しなきゃいけない食材が増える」って、日常の料理担当からしたら結構ショックなんですよね。 

「作りたいものを作る→余ったもので次の献立を考える」という作業は、自炊力を養うとてもいいトレーニングになります。

それから慣れてくるまで、自己アレンジは控えましょう(やりたい気持ちも分かるけど!)。まずはレシピどおり作れるようになるのが大事です。自己アレンジは、事故アレンジにもつながりやすい。どうしてもやりたいときは、自分ひとりで食べきれる量のときに。 

あと「キッチンを使い終えるときは、アパートを引き払うときと一緒」と考えて。原状回復義務が発生するんです、ええ。こんなこと書くと「考えなきゃいけないことが多すぎる!」と思われるかもですが、毎日の料理作りをしている人は、それらのことをこなしているわけです。

柴丸さん、長々書き連ねました。最後にもう一度、おつかれさまです。どうか状況がちょっとでも好転していきますように。

 

味噌はドレッシングにもいい

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味噌ドレッシング
白央篤司

さて、ひとり暮らしの方から「味噌が使い切れず、長く冷蔵庫に置きっぱなしになってしまう」という相談をいただきました。

この方は自炊するのは週末だけとのこと。自炊するたびに味噌汁を作るわけでもないでしょうしね。わかります。サラダのドレッシングに使ってみるのはどうですか? オリーブオイルとの相性、なかなかにいいんですよ。

 (用意するもの)

オリーブオイル 大さじ1
味噌 大さじ1
酢 小さじ2
コショウ 少々

これでよく混ぜてください。サラダに和えたり、スティック野菜のディップにもいいですよ。トマトにそのままかけてもおいしい。 

最近では少量や小分けになった味噌、またパウダータイプや液状のものなども売られているので、時間のあるときにスーパーの売り場をチェックしてみてくださいね。

では、また次回!

※引き続き、日々の自炊、食事の用意に関してつらいこと、悩んでいること、大変に感じていること、こちらから自由にお送りください。お名前(ハンドルネーム可)、年齢、できればお住まいの地域もご記入ください。