緊急事態宣言の再発令、目安はいつ?尾身氏は「感染爆発してからでは遅い」

緊急事態宣言の再発令はするべき?新型コロナウイルスの感染対策の分科会を終え、会長の尾身茂氏は会見で「感染爆発してからでは遅すぎる」との見解を示した。
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新型コロナウイルス感染症対策分科会の後、記者会見する西村康稔経済再生担当相(左)と尾身茂・同会長=7月31日、東京都千代田区
時事通信社

東京都や大阪府など都市部を中心に、新型コロナウイルスの感染が急速に広がっている。緊急事態宣言の再発令はするべきか?感染症対策分科会の会合が7月31日に開かれ、会長の尾身茂氏は終了後の記者会見で「感染爆発してからでは遅い」との見解を示した。

 

■「予兆」で介入の判断を

尾身氏は、今後想定される感染状況を以下の4つの段階に分けて説明した。

1)感染ゼロ散発段階(感染者が散発的に発生するが、医療提供体制に特段の支障なし)

2)感染漸増段階(感染者の漸増及び医療提供体制への負荷の蓄積)

3)感染急増段階(感染者の急増、医療提供体制に支障が発生する)

4)感染爆発段階(爆発的な感染拡大、深刻な医療提供体制の機能不全)

東京都や大阪府などの都市部は2に、それ以外の多くの地域は1にあると分析。その上で「3の『感染急増段階』に移ったことが分かってから対策を取るのでは遅すぎる。次の段階に移る予兆を見つけて、先取りをした介入をしていただきたい」と政府に提言したことを明らかにした。

緊急事態宣言の発令については、「最終的な(4の)『感染爆発段階』に行ってから宣言を出すのでは遅い。仮に出すのであれば、予兆を見つけてすぐに介入するということ」と促した。

 

■段階の移行、指標は?

次の段階に移行する「予兆」にある、と判断する基準は何か?

尾身氏は、「医療提供体制への負荷」(特に都市部は重視)▽検査体制への負荷▽公衆衛生への負荷――の3つの指標を示した。

指標ごとの具体的な数値の基準は、次回の分科会で示す方針という。

西村康稔経済再生担当相はこれに対して、各都道府県ごとに数値を設定することは考えていないとしつつ、「(感染者が増加している)都市部と、それ以外の地方部を分けて数値を設定することはあり得る」と説明した。

 

■「マイクロ飛沫」は三密で

会見では、7月1日〜28日の全国でのクラスター発生状況も公表された。

・接待を伴う飲食店(発生件数33件、総人数488人)

・会食(213件、1605人)

・職場(213件、1607人)

・学校・教育施設など(213件、1610人)

接待を伴う飲食店に比べ、会食や職場、学校の方がクラスター発生の件数がそれぞれ約7倍多いことが明らかになった。

尾身氏は、微細な飛沫粒子によって感染する「マイクロ飛沫感染」のリスクにも言及。「三密の状況では、感染経路として飛沫や接触に加えてマイクロ飛沫感染も起こりやすい」と注意を促した。一方で、「野外を歩いていたり、感染対策を取っている店舗での買い物や食事、換気されている電車での通勤・通学でのマイクロ飛沫感染の可能性は限定的」と述べた。