宇宙から来たの? 南三陸町の新種化石、復元模型がキモかわいい【画像集】

宇宙人みたい...👽 2013年、震災復旧工事の現場から見つかった「のうとう類」の化石。実は日本で初めて発見され、「キタカミカリス・ウタツエンシス」と命名されました。
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キタカミカリス・ウタツエンシスの化石の模型
提供:東北大学総合学術博物館

まるでエイリアン...!2013年に工事現場の地層で見つかった、ちょっと不気味な化石の模型の写真が、「宇宙生物みたい」「キモかわいい」などとネット上で話題を呼んでいます。

写真をSNSで投稿したのは、仙台市の東北大学総合学術博物館の公式Twitter(@Tohoku_U_Museum)

同博物館によると、化石は2013年、東日本大震災の被災地である宮城県南三陸町・歌津で見つかりました。震災復旧工事のために削った大沢層(約2億5000万年前)から発見されたといいます。この大沢層は、1970年に世界最古級の魚竜化石である「ウタツギョリュウ」が発見されたことでも知られています。

研究グループが調べたところ、「嚢頭(のうとう)類」と呼ばれる絶滅種の化石だと判明しました。同博物館の協力研究員で、古生物学が専門の永広(えひろ)昌之さんによると、嚢頭類の化石が国内で見つかるのは初めてでした。

 

謎に包まれた化石

同博物館のニュースレター(2015年)によると、嚢頭類の化石はこれまでイギリス、スペイン、フランス、ドイツなどで見つかっています。シルル紀から白亜紀にかけて、主に低緯度の浅い海に棲息していました。

「嚢頭類は節足動物であり、甲殻類の仲間に入る、というのはほぼ確かです。ただ、甲殻類の中での分類はこれまでの研究では明らかになっていなく、まだまだその正体が知られていません」(永広さん)

復旧工事で掘った際、大沢層では嚢頭類の個体が200〜300個ほど見つかりました。大きさは1センチ〜8センチほどと様々で、嚢頭類の中でも複数の種類がありました。そのうちの一つは、「キタカミカリス・ウタツエンシス」と命名されました。

「嚢頭類は、目玉と足以外の体全体が甲羅で覆われているという特徴があります。残念ながら、当時は目玉や足は地層から出てきませんでした」(永広さん)

光線を放ちそうなギョロっとした目と、おどろおどろしい足が少々不気味なキタカミカリス・ウタツエンシスの模型。

Twitterでは「エイリアン感ある」「キモかわいい」「古代のロマン」などのコメントが寄せられています。

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大沢層で見つかった嚢頭類の化石
提供:東北大学総合学術博物館