断水後、最初にトイレを流したらダメ? 水道の復旧で気を付けること《西日本豪雨》

台所の蛇口から流すと安全という
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写真はイメージです
jarih

西日本を中心とする豪雨の影響で、各地で断水が続いている。厚生労働省によると、1週間が経った7月13日午前5時現在で、四国地方や中国地方など10府県の20万7508戸で水が出ない状態だ。

一方、約5万5千戸で水道が復旧したが、断水の解除の際にトイレを最初に流したことで、「トイレが壊れた」といった声がTwitterで上がった。

空気で故障の可能性。でも通常は大丈夫

東京都水道局によると、陶器の破裂や、爆発的にあふれるといったことは考えにくいが、非常事態では、できるだけ特別な器具のついていない台所の蛇口や、洗面所の蛇口から開くことが望ましいという。

断水の際は工事によって自治体が管理している配水管内に空気が入ることがある。通常の工事では、これらの空気を抜く充水作業が行われているので、空気だまりができることはない。

ただ、今回の災害のような緊急事態では、復旧作業中にたまたま管内に空気が入ってしまうことも考えられる。

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トイレのタンクの中には水位調整をするボールタップが入っている
Dcwcreations via Getty Images

管内に空気が入った場合、空気だまりで水位が安定しないことで、トイレのタンクで水位を調節し、水の出を制御する「ボールタップ」という部分にある浮き球が、上がったり下がったりを繰り返す。この上下運動によってボールタップが壊れてしまうと、トイレタンクが水をうまく流せなくなる。

また、温水洗浄便座も、空気が入ってしまった場合は壊れる可能性がある。

温水式便座「ウォシュレット(R)」を販売しているTOTOによると、温水洗浄便座には、貯湯式と瞬間式の2タイプがある。 貯湯式は小さなタンクを内在しているが、瞬間式には、タンクと呼べる部分はない。

しかし、貯湯式、瞬間式にかかわらず、断水解消後の水に空気や異物混入していた場合には故障リスクがあり、TOTOとしても断水解消後は「少しずつ調整のできる屋外の単水栓や、屋内の単水栓や2ハンドル水栓から、透明になるまでしばらく水を出すことが望ましい」という。

蛇口から水を出し始めると、「ブハッ、ブハッ」と空気と水が合わさった状態のものや、白く濁った水が出ることがあるが、少し待つと通常の水流に戻る。

水道局の担当者は「計画的な断水の時にはめったに見られないことだが、大災害が起きている非常事態のときは、濁り水が出ていくまで待つなどの対応をしてもらえたらと思う」という。

【UPDATE】

温水洗浄便座について、TOTOの説明を追記しました。