「あなたは何人ですか?」グローバル化におけるアイデンティティの分裂

「あなたは何人ですか?」という質問に対して私は困る。
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「あなたは何人ですか?」

という質問に対して私は困る。

ふざけて、「地球人」とか「大阪人」とか、

あえて相手が求めている答えを出さない。

相手もそのふざけた答えに対して

少しウケて、笑ってくれる

「いや、でも本当に何人なの?」

今度は、真顔で「日本人」と答える。

一瞬間を置いて、

そんなわけないでしょう〜みたいな顔をして

次こそ私が何人か教えてくれるように目線で催促して来る

冗談はよして、本当に何人か教えて欲しい雰囲気を出す

私は、渋々

「ロシア人。」

と答える。

しかも小声で、しかも早口で。

「あーなるほどね」

回りくどい会話に飽きてしまって、

やっと答えを出してもらえて、

満足する。

「あなたは何人ですか?」

という質問は私の大嫌いな質問である。

「私は、ロシア人である」

というよりは両親がロシア人である。

私自身は、ロシア人のステレオタイプに合わせて作られたような見た目をしている。

白い肌、

緑の目、

高い身長、

金髪

しかし、日本で生まれ、日本で育っている。

目をつぶって話してみたら本当に「ザ・関西人」

びっくりするくらい達者な関西弁を使う。

「見た目と中身のギャップありすぎやろ、ビビるわ」

って初対面の人には、必ず言われます。

家の中ではもちろんロシア語で、

ロシアの文化の中で育ったけれど

公立の幼稚園、小学校を卒業して

日本人の友達と、日本語でコミュニケーションして

日本の文化を吸い取って

外にいる時は(見た目以外)完璧な日本人

本当にロシアと日本の中間で育ったわけですよ。

さらに中・高はインターナショナルスクールに通っていたため、

いろんな国籍の人と接して、

いろんな文化を吸収して、

自分の帰属をはっきりさせないといけないこともなかったし、

特に、「自分は何人なんだろう」なんて考えたことがありません。

大学に入ってから、

より大きい社会と接することになって、

初めて自分の帰属をはっきりさせないといけない場に直面して、

長いこと悩んだけれど、

出した答えは

私は、

ロシア人でもあるし、

日本人でもある。

逆に、

ロシア人でもなければ、

日本人でもない。

「何人?」って聞かれる時に

冗談っぽく「地球人」って答えるのも、

実は本気。

特に日本だと、

ほとんどの人がその国籍とアイデンティティが結びついているし、

そもそも「自分が何人なんだろう?」と考えることもあまりないのではないか。

日本において、

私みたいな人は、

ごくマイノリティであるし、

そこまで重要な問題でもないかのように思われる。

しかし、

グローバル化の産物として、

いわゆる「ハーフ」や、帰国子女、

日本人ではあるけど、「日本人」ではない人、

外国人ではあるけど、本当は「日本人」である人

たくさんの新しいパターンが増えてきている。

国籍だけで、

その人のアイデンティティが構築されにくい時代になってきている

「あなたは何人ですか?」

というシンプルな国籍を知ろうとする質問は、

答えてしまえば、

その人の帰属やアイデンティティにバイアスが欠けてしまう。

「あなたは何人ですか?」

そんなシンプルに答えられる質問ではないと、私は感じる。