丸山穂高議員が「報復」示唆。辞職勧告の動きに「ほかの議員の不祥事を世に問いかける」

丸山氏は国後島の元島民に対し、「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」と迫っていた
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衆院本会議で質問する丸山穂高議員=2015年2月、東京・国会
時事通信社

北方四島ビザなし交流に参加した丸山穂高・衆院議員(大阪19区)が元島民の男性に対し、戦争で島を取り返すことへの賛意を引き出そうとするかのような発言をした問題で、与野党が批判を強めている。

野党側は、丸山氏に辞職勧告決議を求める議案の提出を検討し始めた。これに対し、丸山氏はTwitterでほかの議員の不祥事を問題にするなどと「報復」を示唆。対立が深まっている。

朝日新聞デジタルなどによると、問題発言があったのは5月11日夜。丸山氏はビザなし訪問団の一員として国後島を訪問中で、当時、ロシア側との公式行事が終わった後、島にある施設「友好の家」で訪問団のメンバーらと懇談中だった。

丸山氏は酒に酔いながら、国後島出身で訪問団の団長を務めていた大塚小弥太さん(89)に対し、「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」などと質問した。

大塚さんがなんども戦争を否定しているのにも関わらず、「戦争しないとどうしようもなくないですか」などと、戦争によって島を取り返すことに賛成を求めるかのような問いかけを繰り返した。

2人のやり取りは以下の通り。

丸山氏「団長は戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」

大塚氏「戦争で?ああ、反対、は、はんた…」

丸山氏「だからロシアが混乱しているときに、取り返すのはオーケーですか」

大塚氏「いや、戦争なんて言葉は使いたくないです。使いたくない」

丸山氏「でも取り返せないですよね」

大塚氏「いや、戦争したって…戦争するべきではない」

丸山氏「戦争しないとどうしようもなくないですか」

大塚氏「いや、戦争は必要ない」

(中略)

丸山氏「何をどうしたいんですか」

大塚氏「え?」

丸山氏「何をどうしますか」

大塚氏「何をですか」

丸山氏「うん。どうすれば」

大塚氏「どうすれば、って何をですか」

丸山氏「うん」

大塚氏「いや、何をどうすればいいって言って…」

丸山氏「この島を。この島を」

大塚氏「それを私に聞かれても困ります。…率直に言うと、返してもらったら一番いい」

丸山氏「戦争なく」

大塚氏「戦争なく。はい。戦争はすべきではないと思います。これは個人的な意見です」

丸山氏「なるほどね」

大塚氏「はい」

丸山氏「※」 ※聞き取れず

大塚氏「早く平和条約を結んで、解決してほしいです」

訪問団員の制止聞かず

丸山氏は問題発言の前、交流の一環でロシア人島民の個人宅を訪れ、飲酒していたという。

丸山氏は別の訪問団メンバーの制止を聞かず、大塚さんとのやりとりを終えた後も大声で騒いだり、決まりに反して友好の家の敷地外に出ようとしたという。

丸山氏に対し、複数の訪問団メンバーが抗議し、翌12日になって全訪問団メンバーの前で謝罪したという。

丸山氏は訪問終了後、東京都内で記者団に対し、「心から今回の発言について謝罪し、撤回する」と述べた。

丸山氏は日本維新の会に所属していたが、松井一郎代表(大阪市長)が「辞職するべきだ」として除名処分を決定。さらには、与野党に対し、辞職勧告決議案の提出を呼びかけた。

共同通信によると、立憲民主、国民新党、共産など野党5党派は検討を始めた。一方、自民党は慎重な姿勢を取っているという。

これに対し、丸山氏はTwitterで「これより先の期間は無所属で活動する」と辞職する意思がないことを表明した。

その上で、辞職勧告決議案が提出された場合、YouTubeなどで「北方領土問題を含め日露外交の問題から、与野党の議場で不問になっている過去の他議員不祥事」などについて問題にする姿勢を示した。