水溜りボンド、4年間の挑戦と本音「YouTuberになったほうがいいよなんて言えない」

若き挑戦者トミーとカンタが思い描く、これからのエンタメとは?
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人気YouTuber「水溜りボンド」の二人。(左から)カンタとトミー
Yuko Kawashima

「水溜りボンド」のことを、あなたはどれだけ知っているだろうか。

トミーとカンタの二人組YouTuberを、ハフポストの学生インターンたちは口々に「ファンだ」と話した。電車に乗りながら、勉強の合間に、ときには髪を乾かしながら、彼らの動画を見つめている。

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2015年1月に誕生したこのYouTuberは、毎日夜8時、新しい動画を投稿し続けている。約4年の時を経て、今やチャンネル登録者数は355万人を超えた。

8月には、「24時間テレビ」の放送日に配信された「夏休みスペシャル」の動画に、草なぎ剛さんやベッキーさんが出演し、大きな話題となった。

12月27日には、イベント『水溜りボンド SPECIAL STAGE 2018 in TOKYO』を開催。チケットは完売、全国の映画館でライブビューイングされる盛況ぶりだ。

水溜りボンドは、なぜYouTuberになったのか。若き挑戦者が思い描く、メディアの垣根を超えるこれからのエンターテインメントとは? トミーとカンタのロングインタビューをお届けする。

青山学院大学に入学した二人をつないだのは、"お笑い"だった。

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お互いの第一印象をふりかえる二人。(右)トミー「もうズボンが細かったもんね」(左)カンタ「お前が太いんだけどね。みんな細いんだけどね」
Yuko Kawashima

トミー:お笑いが好きで出会って、仲良くなりはしたんですけど、キャラは真逆でしたね。

カンタ:僕が覚えているのは、お笑いサークルの新歓みたいなやつで、トミーがブイブイ言わせてたっていう。ブイブイっていったらアレかもしれないですけど、元気よかったよね。お笑いをやりに来たぜっていう感じはすごかったです。

トミー:俺は、「俺が一番面白いぜ」ってやつだよね。

カンタ:「おい、みんな聞いてくれ。先輩たち座ってくれ。俺が面白いぜ」っていう状態ですよね。

トミー:カンタは、「いや違うんですよ。やらされてるんですよ」って感じで、保険をかけてやっているタイプだったので、全く別な感じ。

カンタ:僕は割と昔から学級委員やったりしてましたけど、みんなに「やって」っていわれて、「じゃあ、やるわ」みたいなヤツでしたね。

二人がYouTubeを始めたのは大学2年の冬。きっかけは「キングオブコント」だった。

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Yuko Kawashima

カンタ:大学2年生のときに(コント日本一を決めるTBS系番組のコンテスト)「キングオブコント」に出て、3000組から300組まで残って。大学生は多分2組しかいなかったんですね。そのときに、プロのお笑いでイケるんじゃね? って思ったんですよ。

でも300組から70組まで(の準々決勝)で、500人の会場で初めてやったときに、僕らでも知っている芸人さんが前や後ろでやっていて。もうお客さんが僕らのこと見てなかったんです。アンケート書いてたりして。

やっぱり知名度って絶対あるんだなと。お笑い芸人さんは、めちゃくちゃ面白くても、それでも売れない人たちがたくさんいる時代ですからね。

お笑いをやるために、知名度をあげるために、YouTubeを選んだ理由。

トミー:理論上、絶対YouTubeがよくて。頑張って現場で、ライブハウスで経験を積んで、キングオブコントの日に本調子でいって、テレビに出て勝ったとしても、売れるかわからない。結局自分たちの努力は100%世には出ない。

例えば、ライブハウスでやるとしても、その日雨で電車が混んでいるなかで、狭くて汚いライブハウスに来て、何番目に出てくるかわからない僕らのネタを見る。周りの組が面白いかどうかでその日の雰囲気も変わるだろうし。

YouTubeだったらその過程も全て残せるし、家でソファで座ってクーラー当たるようにして、最前列の一番真ん中で、音量も自分で調整できて、見たいところにもう1回戻せる。そういう環境で見てくれるほうが絶対的にいい。

トミー:カンタがネタを書いてたんですけど、月1本ネタ作ってめちゃめちゃ練習して、お客さん集めて3分のネタやって、次のネタ作り始めるって、めっちゃもったいない。

僕らネタ合わせとかあまり好きじゃなくて、ずっと相手を笑わせようとしてしゃべってたんですよ。だったら映像にして毎日出したほうがネタも尽きないし、みんなが親近感わくようなエンターテインメントを作れるんじゃないか、っていうの続けていった感じですね。

YouTubeを始めても人気が出るかわからない。当時、就活は考えていたのだろうか?

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Yuko Kawashima

トミー:就活? あんまりなかったですね。

大学2年の冬に、2015年の1月1日からYouTube始めているんですけど、要するに、その1年後くらいから就活が始まるんですね。で、1年間やっていけるかどうか、みたいな。

僕からしたら、いけるかどうかというか、いくために逆算してやるはずなので、そんなに就活のことは考えてなかったです。

カンタ:僕は就活しようと思っていたんで、1年間でどうやって顔を広めようとなったときに、とりあえずYouTubeやると。1年間でできることを全部やろう、というなかの手段の1つでした。

俺らはYouTuberになりたくてなったわけじゃないというか、結果的にYouTubeが一番よかったからなっているんであって、動機が違うと思うんですね。

トミー:YouTubeという媒体を選んだということだよね。

【初投稿動画】トランプできゅうり切れるまで帰れない

それから4年。2018年12月、メインチャンネル「水溜りボンド」の登録者数は355万人を超えた。

カンタ:徐々にですよ。よく「この動画で人生変わったとかありますか?」って聞かれますけど、全部10再生のところで、試しにやってみたのが20再生になって。それでファンが増えて、階段みたいに上がっていく。

1日1日で見て、何かすごい予想外のことが起きたことはないです。

トミー:もうちょいで4年でしょ? 4年というと千数百本。再生されない動画もあるとは思うんですけど、それにもちゃんと狙いがあって、だんだん底が上がって安定するというか。

カンタ:一見わからないんですけど、ここがいいからこうなっているんだって、理由づけがどんどんできていくんです。

水溜りボンドが、チャンネル登録者数を増やした本当の理由

カンタ:タイトルひとつ見ても、昔「メントスコーラ」ってすごく人気のやつがあったけど、みんなやっていたので、検索に引っかかるわけないんですよ。登録者数が低いから。じゃあ「逆メントスコーラ」の動画にしてみたら、何だろう?と思った人が興味を持ってみる。

2015年3月に投稿された「逆メントスコーラで大惨事」

トミー:「逆メントスコーラ」の再生数、めっちゃいったんですよ。もちろんカンタが考えるネタは面白いと思うんですけど、検索とかロジックの勉強を怠ってないから。

カンタ:ずっと進み続けられる感じはありますね。

トミー:動画には、僕たちの面白さが必要だと思うんですけど、タイトルとサムネイルは広告みたいなものなので、ここでどのくらいの人が興味を持つか。その知的欲求を刺激するのは、また別の才能がないとできない。

カンタがそれをやったことによって、かなりの数の人たちが僕らの動画を見てくれて、魅力を感じ取ってくれたんじゃないかなとは思いますね。

カンタ:再生数が全部じゃなくて、高評価の数もめちゃくちゃ大切にしているんですけど、どっちもあまり振るわないときって、「あ、これ違ったんだ」以外の何物でもない。でもコメント欄では、「今日めちゃくちゃ面白かったよ」っていうコメントで溢れたりするんです。

ファンの人たちからしたら「今日もありがとう」という気持ちだけど、一歩引いて見たら、今日はどういう日だったんだろう? と。「変わっちゃったね」といわれることもあるけど、それだけをやり始めちゃったら、新しい人が見てくれなくなるかもしれない。その全てを抱えて進んでいかなきゃいけない。

2018年夏の企画「夏休みスペシャル」には、新しい地図の草なぎ剛さんや、ベッキーさんも出演し、大きな話題となった。

トミー:カンタが毎日投稿できて、ちゃんと企画が生まれてきて。逆に、僕はあまりYouTuberっぽくならないようにしていて。

YouTuberという型にはまらないものでありたいというか、「夏休みスペシャル」でドラマっぽい映像企画が10本出たり、無人島だったり村だったり、あの時期ああいうのを連発したんです。

なんでそういうデカいのをやるかというと、YouTuberを見てない人たちから僕らを認知してもらったり、YouTuberができなかった新しいことをできるチャンネルでありたかったり。

YouTubeってこういうものだよねって固定しちゃうのは違うので、うちのチャンネルがどんどん世に発信して、YouTube自体が活性していくような状況を作れたらな、と思っています。

YouTubeは「テレビよりすごいじゃん」「もう映画じゃん」と言われてもいい場所

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トミー
Yuko Kawashima

トミー:僕の企画は大規模なものが多く、「テレビよりすごいじゃん」とか「もう映画じゃん」とか、そういうふうに言われるコンテンツを出していきたい。

かといって、日常の動画がおろそかになったらダメだし、YouTuberとしてのバランス感覚を持ちつつ。相方との役割分担だと思うので、それをやる意味が、今年の夏、うまく作用した。

本当に、とんでもない再生数で。普段見てない人も見たし、普段見ている人、それこそきゅうり切ってるところから見てる人に、「応援してきた人がこんなになったんだ」って見せる場でもあるので、みんながうれしい日だったかなと。

1個大きく見せることで、今後僕らのチャンネルでできることの幅が広がっていく。

僕がやっているのは、サブチャンネル「水溜りボンドの日常」の企画と編集なんで、メインを見た人がこっちも見る。一番大きい枠と一番小さい枠を僕がやることで、チャンネルとしては安定するんじゃないかなと。めちゃくちゃ空振る可能性ありますけど。大振りなんで。

365日、毎日投稿を続けられる理由

カンタ:僕はもう編集が好きなんだな、って思いますね。YouTubeやっていることが。

前もトミーと話したのが、ハワイ行こうって言って、「1週間動画撮らないでいいです」ともし言われても、苦行なんですよ。もったいないじゃん、っていう。

トミー:だから向こうでパソコン買うし、カメラも全部買うしね。

カンタ:カメラ回すことで、自分たちがハワイに行っている意味が大きくなるのであれば。本当に仕事でハワイに行かされてたり、仕事が嫌だなとなっていたりしたら、一切やらないと思うんですよね。でも、しちゃう。

トミー:今日は、7時ぐらいから他の企画でスケートやって。今取材受けて、今日の動画撮って、お互いのやつ編集して、夜カンタだったら企画考える。僕は(所属先の)UUUMでミーティングがある。めっちゃ進むし、楽しみなことが決まっていく。

今はありがたいことに10努力すれば、感覚値で言うと15、20返ってくる。

10努力しても1返ってくるかわからないような職業がほとんどだと思うんで、やったこと全てが返ってくるところで、努力しない意味がわからないし、努力するの、すごく楽しいですよね。だから今、全然苦じゃないですよね。

炎上しない水溜りボンド「気遣いをするのは当たり前」

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Yuko Kawashima

トミー:「YouTube界のNHK」と言われているのは、BGMが優しいからなんじゃないかな、と思います。俺みたいなやつがずっと動画に映っていて、NHKっていわれるって相当だもんね。

気遣いをするのは当たり前で、炎上してないかもしれないですけど、別にそれは炎上しないように、というか、みんなが面白いと思えるような動画の構成を、カンタが編集でしているのであって。

カンタ:基本的に、人を悪く言うというか、見ている人が楽しめなくなるようなものは出したくはない、というのはあります。あくまで笑えるところで収まるというか。

でも結局、YouTuberのトップの人たちって、実際にお会いしていても、そのまんなんですよね。普通にいい人。いい人じゃない人見たことないというか、そりゃ好かれるな、という感覚はありますね。

ファンの年齢層が、他のYouTuberより高い理由

カンタ:(ファンは)18から24歳が一番多いです。全体の半分ぐらいかな。

トミー: 18から24が一番だけど、あとはその上じゃん。18歳以上が結構な割合ですよね。

カンタ:テレビだったら、子どもたちにウケる番組にしようって考えたとして、体操のお兄さんとか持ってくればできるし、こういうしゃべり方してわかりやすい編集にしよう、ってなるんでしょうけど、YouTuberは全部自分がやるから、本当に子どもにウケようと思ったら、別人格になるしかないわけです。

企画考えるのも編集するのも僕らなので、嘘つけないというか。例えば、子どもにウケるためにテーマパークに行ったところで、18歳から24歳がやりそうなことをやっちゃうんですよね。

トミー:嘘はつけないんで、年齢層を下に絞っていこうとかはできない。逆に、その年齢だったときの夢は叶えているんです。

男だったら、無人島で生活してみたいと思ったことがある人は多いと思うんですけど、それって普通に暮らしてたらできないじゃないですか。できるぐらいの財産を手にした頃には、みんないろんなものを抱えていて。それが仕事になっている僕らが代表して行って、1日10分とかの動画で擬似体験できる。

みんなからしたら、同年代が小さい頃に憧れたものを体現する。350万人の代表として体験してきて、それを10分で伝えることが仕事なので。

YouTubeで勝つのは、「本当に好きでやっている人」

カンタ:結局一番再生数が伸びたり評判がいいのは、自分たちらしくできたときなのかなと思います。

例えば、「この携帯ゲームが流行っているからやります」って言える人は、隠さずそれを言ったほうがいい。そこを隠して、「僕、これめっちゃ好きなんですよね」と言っても、見ている側は、「あれ? こいつレベル上げもしてないから本当は好きじゃないんじゃね?」って気づく。

本当に好きでやっている人たちがYouTubeだと勝っていくんだと思います。

(米村)でんじろう先生のお弟子さんと一緒に実験したときは、動画抜きで「一緒に実験をやりたいです」って話をしにいってるんです。だからこそ、(市岡)元気先生も一生懸命いろいろやってくれたり、手伝ってくれる人もいたりする。

それが表面に出てくるから、結局お金で解決できないというか、リアルな気はしますね。

人気YouTuberになった二人。お金に対する価値観の違い

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Yuko Kawashima

カンタ:(お金を)使おうと思わない。そういう意味では、トミーのほうが普通なんですよ。

トミー:こいつ金使わないんですよ。視聴者と感覚が近いんですね。だからいいものが生まれると思うんですけど。

僕とかは(お金をあるだけ使っちゃうので)明日も打席に立たないと、来月お金がない。来月頑張らない場合、俺死ぬなっていう。みんなと同じ状況で戦っているんですね。

カンタ:でもお金がないから頑張ろうぜ、っていう人たちと同じぐらいというか、それ以上にやるんですよね。

トミー:昔から、めちゃめちゃ頑張ってバイトして10万円あったら、僕10 万円使うんですよね。(全部使うのは)変わってないです。でも(カンタは)まだ10万です。貯金が趣味じゃなかったらおかしい。

カンタ:自分が必要だと思うものは、昔からすごい使うんですよ。今は一番いいパソコン買おうと思って買えるわけじゃないですか。機材にはかけられるんですけど、自分の生活水準を上げるところには増えないんですよね。欲がないんですよね。

一軒家に同居する後輩も動画に出演、ミーティングも公開。そのプロセスと化学反応を見せたい。

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Yuko Kawashima

カンタ:2018年で4年目になって、相当いろいろやってきたんです。よりたくさんの人に楽しんでもらおうとか、より面白くしたいとか、いろいろ考えたとき、今年は後輩たちを出したりしました。

僕ら2人、もう家でやるのは安定していて。例えば、ただの水が出てきたところで動画になっちゃう。ファンの人たちは、「それがうれしい」って言ってくれるんですけど、それはもちろん強みなんですけど、それだけで戦い続けることって多分できないし。

トミー:本来であれば、ファンには僕らのチャンネルのエンターテインメントを信じるというか、100%楽しむ気持ちで見てほしいんですけど、YouTubeはテレビとか映画といった、ほかの媒体に比べてかなり身近に感じて、チャンネルに対しての愛情を強くできるので、逆に意図をちゃんと説明をすることでついてきてもらうというか。

カンタ:結局、信頼というところが一番大切だなと思って。この人たちがやっていたら面白そう、とか。僕らのYouTubeのアイコン自体にどれだけのブランド価値があるか、みたいな話で、同じ規格をやっていても再生数ってみんな違うじゃないですか。

後輩たちと動画を撮ることを視聴者さんに見せるのも、「この人たちらしいよね」っていうのが潜在的に信頼になると思うんですよね。

「YouTuberになったほうがいいよなんて言えない」

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Yuko Kawashima

カンタ:2015年の1月1日から、世間の目は変わっているかもしれないですけど、やっていることは変わってないですね。自分たちが面白いと思ったものをやっているだけです。

昔から、僕はお金もらえなくてもやってたし、もらえても別に倍頑張るわけでもない。ものすごい金額上げるからクオリティ落としてくれ、って言われるほうが嫌だというか。お金もらえないけど見てくれる人いるならやりたいな、って思っちゃうし。

僕と感覚が一緒の人たちが世界中にいたっていうだけでラッキーというか。絶対、感覚が違っちゃっていて、一生懸命やっていてもウケない人っていると思うから。

時代というか、自分が生まれたタイミングがここだったから、YouTubeでたくさんの人に知られる環境になったと思うけど、今僕らが大学生で、今日から始めようってなっていたら、かなりきつい戦いになると思うんですよね。

トミー:上が詰まっているもんね。僕らのときもすごくいたんですけど、YouTubeを始めた頃、上の人たち、みんなトップ層が毎日投稿だったんですよ。毎日投稿ぐらいしか張り合えなくて、カンタは毎日投稿を続けてきて。

今始める人がどう戦うかって、結構難しいですよね。水溜りボンドが毎日投稿やっているの、めちゃくちゃ意地悪だなと。2人組でやってて勝てんもんね(笑)。

カンタ:今だったらYouTuberって、「そこそこ安定しているんじゃない?」ってなんとなく思うかもしれないですけど、僕らがやり始めたときって、誰が生計立っているのかわかってない状況で。「僕ら(登録者が)100万人行きました」と言ったところで、(YouTubeの広告がなくなれば)次の日から職がなくなる可能性がある状況だったし。

親もやっぱり心配するし。僕も子どもが「YouTuberになりたい」なんて言ったら、わけわかんないですよね。「何してんの?」って思う(笑)。

トミー:もし娘できて「YouTuberと結婚する」って言ったら、絶対になし(笑)。

カンタ:インタビューでも、「小学校のなりたいものランキングで3位ですけど、どうですか?」って言われるんですど、「あなたと同じ気持ちです」っていう(笑)。

僕らはいい方向にいくものを作ろうとはしているし、僕らに憧れてくれたりする子たちには、「好きなことをやれるように頑張ったほうがいいよ」とは言えるんですけど、絶対に「YouTuberになったほうがいいよ」なんて言えないです。

トミー:めちゃんこきついよ、って。

これからのエンタメ、水溜りボンドが思い描く世界とはーー

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Yuko Kawashima

カンタ:そこまで意識してないですけど、実際映画とかテレビとかYouTubeって、どんどん時代によって媒体が変わってきていると思うんですけど、お客さんの数は一緒じゃないですか。

取り合いになっていると思うんで、じゃあ何年後、YouTubeどうなっているんだろうとなったとき、僕らがどんどん活躍していってYouTubeがもっとでかい存在になっていったらいいな、という感覚ではやっていますけどね。

トミー:僕ら自体がしゃべれば価値があって、何かやれば価値があるという存在であり続けないと。自分たちなりの価値があれば、絶対にエンターテインメントというものを必要とする社会は変わらないと思うので。

そこに絶対求められるものはあるので、そういう存在になって確立していけば、自分たち自身もやっている意味が、そのまま自分たちに返ってくるようにはなるのかなと。

今かなりそれに近い状態で、YouTubeというところで僕らがスタートして、今もYouTubeにいて、これからもYouTubeでやっていこうと思っているという状況は、自分たちにすごくプラスだし、ここで自分たちに価値をつけられる状況はすごく幸せだなと思います。

(取材・文:笹川かおり、浅田奈穂 写真:川しまゆう子)

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