マネーストック統計 6月、M3が最大の伸び、法人預金の増加が原因か【争点:アベノミクス】

日銀が発表した6月のマネーストック統計によると、代表的な指標であるM3は前年比3.0%増と7カ月連続で伸びが拡大し、2003年4月のマネーストック統計開始以来最大の伸びだった…
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Reuters

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日銀が発表した6月のマネーストック統計によると、代表的な指標であるM3は前年比3.0%増と7カ月連続で伸びが拡大し、2003年4月のマネーストック統計開始以来最大の伸びだった。

M3に投資信託や国債などを加えた広義流動性も前年比3.2%増と2007年7月以来5年11カ月ぶりの高い伸びとなった。金融機関の貸し出し増加で法人預金が拡大したほか、株高・円安で金銭の信託や投資信託が増えたのが寄与した。

<M2とM3が統計開始以来、最大の伸びに>

M3からゆうちょ銀行などを除いたM2も前年比3.8%増と7カ月連続で伸び幅が拡大し、統計開始以来、最大の伸びとなった。マネーストック統計の前身であるマネーサプライ統計を含めた比較では1999年7月(前年比3.9%増)以来の伸び幅となった。

M3もマネーサプライ統計を含めると1999年10月(前年比3.4%増)以来の伸び幅となった。

内訳は預金通貨が同5.4%増となり前月より伸び率が0.7ポイント拡大した。日銀では金融機関の貸し出し増や、企業収益の回復に伴い法人預金が増えているとみている。

一方、現金は前月比で伸びが0.1ポイント縮小、定期預金などの準通貨も前月比で横ばい、CDは前月比で4.4ポイント縮小した。

<株高・円安で投資信託が08年9月以来の伸び>

広義流動性は伸び率が前月比で0.5ポイント拡大した。内訳は、金銭の信託が前年比8.8%増と伸びた。4月と5月は株高・円安による含み益計上でそれぞれ同5.0%増、同7.2%増と伸び率が拡大したが、6月は法人および個人双方から新たな資金流入が加わり、伸びが一段と拡大した。

投資信託も株高・円安を受け、前年比6.1%増と伸び率が前月から0.4ポイント拡大、2008年9月(前年比6.3%増)以来となった。

国債(非金融機関保有分)は前年比31.7%減とマイナス幅が5月の同36.6%減から縮小した。

[東京 9日 ロイター]