新井浩文被告、二審も実刑判決。懲役4年

一審東京地裁で懲役5年の実刑判決を受けていた。
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新井浩文被告(2015年撮影)
Koki Nagahama via Getty Images

派遣型マッサージ店の女性従業員に性的暴行を加えたとして強制性交罪に問われ、一審東京地裁で懲役5年の実刑判決を受けた元俳優・新井浩文被告の控訴審判決が11月17日、東京高裁であった。細田啓介裁判長は、懲役4年の実刑判決を言い渡した。執行猶予はつかなかった。

 

判決理由は?

判決では、東京地裁が言い渡した懲役5年の実刑判決について、「概ね合理的なものであって、その結論は当裁判所も支持できる」と認定。その上で、一審判決後に慰謝料300万円を支払い、民事上の和解が成立したことをふまえ、1年減刑し懲役4年を言い渡した。

弁護側は、被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行は用いていないと主張したが、細田裁判長は「(被害女性は)動揺、狼狽する心理状態の中で、一貫して相応の嫌悪感や拒絶感を示していた」と指摘。暴行脅迫が成立するとした一審の認定に「誤りはない」とした。

また、「性交に合意があったと誤信していた」とする主張については、被害女性が被告に対して好意を示したり、自ら性行為を求めたりする言動が一切なかったと認められるとして、「合意を誤信していたと合理的に疑う余地はない」と指摘。一審の認定を支持した。

 

一審では懲役5年の実刑判決に

新井被告は2018年7月1日午前3時ごろ、マッサージのため東京都内の自宅マンションに呼んだ女性に性的暴行を加えたとして起訴された。

一審で争点となったのは、①「被害者の反抗を著しく困難にする程度」の「暴行脅迫」があったかどうか、また、②性交の合意があったと新井被告が誤信していたかどうか(故意の有無)。

弁護側は、「暴行は用いていない」とした上で、「同意があったと誤信していた」と無罪を主張していた。

2019年12月の一審判決では、東京地裁は女性側の主張を全面的に認め、「暴行を用いて性交したことは間違いなく認められ、性交について合意があると誤信したとの疑いを入れる余地もない」と認定。

強制性交等罪が成立するとして、検察側の求刑通り、懲役5年の実刑判決を言い渡した

弁護側は判決を不服として、即日控訴していた。

 

和解が成立していた

2020年10月12日、控訴審初公判が行われた。

新井被告側は、性交に合意があったと誤信していたと改めて主張。「被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行」を用いていたとは判断できないと訴え、「量刑は不当」と主張した。

また、一審判決後に女性側に300万円の慰謝料を支払ったことも明らかになった。弁護側は「民事上の和解は成立している」とした。

一審では、弁護側は「被害弁償金」として女性に1000万円、その後2000万円の示談金支払いを申し出ていたことを明かしていたが、女性側は示談に応じていなかった。

 

【UPDATE 2020/11/17 16:48】判決理由を追記しました。