「これじゃ日本の女性は輝けない」 男性育休”義務化”に自民・松川るい氏が込めた思い

「骨折したって社員が数週間休むことはある。出産は10カ月も前からわかっているのですから、休ませることができないってことはないと思うんですよ」
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Yuriko Izutani / HuffPost Japan

近く発足が予定されている自民党有志による「男性の育休“義務化“を目指す議員連盟」。設立の中心メンバーとなったのは、和田義明氏と松川るい氏らだ。

2018年12月に行われた自民党女性活躍推進本部(森まさこ本部長)での会合。和田氏が「男性の育児休業は義務化すべきだと思う」と発言し、松川氏が和田氏とともに森まさこ氏に働きかけ議連の設立へと動き始めた。

多くの議員や地方の中小企業にも賛同してもらうため、議連が第一の狙いとして掲げたのは男性育休が円満な夫婦関係にもつながり「少子化対策として有効」ということだ。

そこには、二児の母である松川議員自身の経験から、「家事育児をしなかった」夫への不満が爆発した経験も大いに影響しているのだという。

ブログ会合で何度も「男性育休の義務化」を言葉にするなど、男性の育児参加の必要性を訴え続けてきた松川氏に思いを聞いた。  

「夫はかつて、家事と育児を全くしない人でした。同じような職場に務めて同じ額の給料をもらっている夫婦なのに、全部私が負担していました。『お皿ぐらい洗ってよ』と言ったら、本当にお皿だけ洗ったんですよ、お茶碗は残して…。怒り心頭です。なんで私ばっかりって。アンフェアだと思いました」

「『ママだから子どもを見るのは当たり前』とか、『女性と男性は違うんだ』とか。諸外国では外交の現場で活躍する女性たちもたくさんいるのを目の当たりにしていましたから、『育児家事をやらない男性が多いから、これじゃ日本の女性は輝けないんだ』と確信しましたね」

 

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Debby Lewis-Harrison via Getty Images

 

女性が外で働くためには家事育児の夫婦での分担は欠かせない。加えて、夫の育児・家事分担時間の多い家庭ほど、第2子以降が生まれる可能性も高いことが明らかになっている

「夫がイクメン・カジメンだったら、もしかしたら私は政治家になっていなかったかもしれません。24時間しか時間がないのは男性も女性も同じ。女性が男性に比べて過大な時間を家事育児に差し出させられていて、男性同様に活躍できるはずはありません。その時は、2人目の子供を産んで、また、私が全部負担するなんてまっぴらごめんだと思いました」

「統計上も家事育児を夫が分担しない夫婦には第2子以降が生まれる確率が低いことが明らかになっていますが、実感としても当たっています。逆に言えば、夫が家事育児をきちんと分担すれば、子供が増え、活躍できる女性が増えると思います」 

 

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Yuriko Izutani / HuffPost Japan

 

「10カ月前から分かっている出産、休めないのはおかしい」

「義務化」を言い出した和田氏をはじめ、議連メンバーには男性議員も名を連ねる。 

「男性にとっても、子どもを育てる喜びを分かち合うことで、より家庭円満につながるのではないでしょうか。離婚率低下にもつながるでしょう。丸1か月の育休を取ったある男性キャスターも、子どもと妻との距離が変わった、育休を取って本当に良かった、としみじみおっしゃっていました」

「議連だって、男性である和田義明議員が『育休を義務化すべきだ』と発言してくれたから、つまり、男性自身も育休が必要と思っているんだと確信できたたから、よしやってみよう!と思えたのです。女性だけで男性に育児休業取得を働きかけてもきっと響かないと思っていました」

とはいえ、企業側からの反発は予想される。

「男性の新入社員の8割は育休取得を希望していますから、若者は間違いなく喜ぶでしょう。けれど、『男性社員全員が育休を取り始めたら仕事なんて回らないだろう』とは言われるでしょうね」

「でも、企業にとっても属人化してしまっている仕事のやり方を、外国人含めより多様な人材が担えるようにモジュール化するきっかけになりますし、人手不足の時代に優秀な若者を採用するための戦略の一つにもなると思う。骨折したって社員が1〜2週間休むことはある。出産は10カ月も前からわかっているのですから、3〜4週間休ませることができないってことは無いと思うんですよ」

多忙を極める外務省でも、松川氏によると職員が2週間の夏季休暇を取得することが「当たり前」になっているという。そのターニングポイントを目の当たりにしたことも、松川氏が「義務化」というトップダウンでの改革が有効になると考えた理由だ。

「ある年、事務次官が『上司は部下の職員に2週間の休みを必ず取らせること』と発言されたんです。それだけで雰囲気がガラッと変わりました。男性の育休も同じ。経営トップが『部下に男性育休を必ず取らせないとマイナス査定にする』と宣言するだけで全然違う雰囲気になるでしょう」

「『うちの社員は育休を取りたいとは言ってこないんだよね〜』ではダメなんです。男性社員にはまだまだ自分では言い出せない状況があるんですから」