熱中症対策、何が必要? 応急処置の方法、注意すべきポイントをまとめました

熱中症の症状で救急搬送された人のうち、52%以上が65歳以上の高齢者。熱中症を引き起こすとされるのは、主に3つの要因だ。
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東北南部まで梅雨が明け、いよいよ暑さが本格化する夏本番。注意しなければならないのが、熱中症だ。

総務省消防庁は7月30日、22日から28日の1週間に熱中症の症状で救急搬送された人が全国で5664人に上ったと発表した。搬送者のうち、65歳以上が全体の52.6%と半数以上を占めた。

熱中症を予防するために注意すべきは何か?ポイントをまとめた。

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猛暑の中、日傘をさしながら街を歩く人々
時事通信社

もし熱中症にかかったら...応急処置の方法は?

環境省がまとめたマニュアルによると、まず必要なのは、「熱中症を疑う症状(※)」があるかどうかをチェックし、意識の有無を確認すること。

(※)めまい・失神・筋肉痛・筋肉の硬直・大量の発汗・頭痛・不快感・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感・意識障害・けいれん・手足の運動障害・高体温など

意識がない場合は、すぐに救急車を要請する必要がある。熱中症は、症例によっては急速に進行し、重症化するからだ。

実際に熱中症が疑われる場合は、以下の応急措置をとるようにしよう。

 

①涼しい環境への避難

風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内などに避難させる。

②脱衣と冷却

体を冷やす際は、首の両脇、脇の下、大腿の付け根の前面に当てて皮膚のすぐ近くにある太い血管を冷やすとよいという。

③水分・塩分の補給

冷たい水を持たせて、自分で飲んでもらう。大量に発汗している場合は、汗で失われた塩分を補うために経口補水液、スポーツドリンクなどが最適。食塩水も有効という。

④医療機関へ運ぶ

自力で水分が摂取できない場合は、塩分などを点滴で補う必要がある。緊急で医療機関に搬送することが最優先の対処法。

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熱中症の応急処置
環境省

熱中症予防のポイントは?

熱中症は、梅雨明け後に急に蒸し暑くなった日にもよく発症数が多いという。

その日の体調も発症に影響する。予防のためには、無理をせず適切な体温調節が必要だ。

環境省による熱中症予防のポイントは次の通り。

・こまめに水分補給をする

・エアコンや扇風機を上手に使用する

・シャワーやタオルで身体を冷やす

・部屋の温度を測る

・暑いときは無理をしない

・涼しい服装にする

・外出時には日傘、帽子を着用する

・部屋の風通しを良くする

・緊急時、困った時の連絡先を確認する

・涼しい場所、施設を利用する

(環境省総合環境政策局環境保健部 環境安全課「熱中症~思い当たることはありませんか?~」より)

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冷風機で涼をとろうとする子供たち
時事通信社

熱中症を引き起こす「3つ」の要因

環境省は、熱中症予防情報サイトで対策を呼びかけている。

熱中症は、「①環境面」「②からだ」の状態、そして「③行動」が要因になるという。

たとえば、外で激しい労働やスポーツをすると体内に著しい熱が生じ、熱中症にかかる可能性が高まるという。二日酔いや寝不足などの体調不良、下痢やインフルエンザでの脱水状態でもリスクが生じる。

その他、糖尿病や精神疾患といった持病を抱える人、高齢者や乳幼児、肥満の人も注意が必要だという。

猛暑を健康に乗り切るため、熱中症予防は万全にしよう。