広島原爆の日、小学生の「平和への誓い」から大人も学べる。「相手を知り、違いを理解しようと努力すること」

国や文化や歴史、違いはたくさんあるけれど、大切なもの、大切な人を思う気持ちは同じです。みんなの「大切」を守りたいーー。

8月6日は「広島原爆の日」。74年前の午前8時15分、広島県広島市に原爆が投下された。

セミの鳴き声に包まれた平和記念公園(広島市中区)では、平和記念式典が開かれた。

広島市立落合小学校6年の金田秋佳さんと広島市立矢野小学校6年の石橋忠大さんが子ども代表として読み上げた「平和への誓い」には、今だから噛み締めたい言葉が盛り込まれている。

全文を紹介する。

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広島原爆の日を迎え、原爆死没者慰霊碑の前で手を合わせる男性(広島市中区の平和記念公園)
時事通信社

 

私たちは、広島の町が大好きです。

ゆったりと流れる川、美しい自然。

「おかえり」と声をかけてくれる地域の人、どんなときでも前を向いて生きる人々。

広島には、私たちの大切なものがあふれています。 

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広島の平和記念式典(原爆死没者慰霊式・平和祈念式)の様子、左は原爆ドーム。
時事通信社

昭和20年(1945年)8月6日。

 

あの日から、血で染まった川、がれきの山、皮膚がはがれた人、たくさんの亡きがら、見たくなくても目に飛び込んでくる、地獄のような光景が広がったのです。

大好きな町の「悲惨な過去」です。

 

被爆者は語ります。

「戦争は忘れることのできない特別なもの」だと。

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原爆ドーム前の元安川でともされた追悼のかがり火(2019年8月5日夜、広島市中区)
時事通信社

私たちは、大切なものを奪われた被爆者の魂の叫びを受け止め、次の世代や世界中の人たちに伝え続けたい。

「悲惨な過去」を「悲惨な過去」のままで終わらせないために。

二度と戦争をおこさない未来にするために。

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平和記念式典(原爆死没者慰霊式・平和祈念式)で広島市長の平和宣言後、空に放たれたハト
時事通信社

国や文化や歴史、違いはたくさんあるけれど、大切なもの、大切な人を思う気持ちは同じです。

みんなの「大切」を守りたい。

「ありがとう」や「ごめんね」の言葉で認め合い許し合うこと、寄り添い、助け合うこと、相手を知り、違いを理解しようと努力すること。

自分の周りを平和にすることは、私たち子どもにもできることです。

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平和への誓いを読み上げる金田秋佳さん(右)と石橋忠大さん
時事通信社

大好きな広島に学ぶ私たちは、互いに思いを伝え合い、相手の立場に立って考えます。

意志をもって学び続けます。

被爆者の思いに、私たちの思いを重ねて、平和への思いを世界につなげます。

 

令和元年8月6日

子ども代表

広島市立落合小学校6年 金田秋佳

広島市立矢野小学校6年 石橋忠大