妊婦を取り違えて中絶手術。栄養剤を打ちに来た女性、身元確認されず

韓国ソウル市の産婦人科で、病院のミスによって妊娠6週だった女性が同意なしに中絶手術をされたという。
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Image of mid adult woman having abdominal ultrasound. Close up of her belly with doctor's hand and ultrasound. selective focus.
svega via Getty Images

韓国ソウル市の産婦人科で、病院側のミスにより同意なしに中絶させられてしまう事件が起きた。

聯合ニュースによると、ソウル江西(カンソ)警察署は9月23日、栄養剤の注射を受けようと来院した妊娠6週だったベトナム人の妊婦に対し、病院側が取り違えて中絶手術を実施したことが明らかになり、捜査に乗り出したと発表した。

ソウル江西区の病院に勤める産婦人科医師1人と看護師1人を業務上過失致傷の容疑で調べているという。

CNNによると、江西署は「医師と看護師は容疑を認めている」としている。

医師と看護師は8月7日、患者の身元を勘違いして妊婦の同意なしに中絶手術をした疑いがある。

被害を受けた妊婦は事件当日、診療室で妊娠6週の診断を受けた。

そして栄養剤の注射を処方され、分娩室に訪ねて来たが、看護師が身元を確認することなく栄養剤ではなく麻酔剤を打った。医師は、カルテや妊婦の本人確認をしないまま、眠っていた妊婦に中絶手術を行ったという。

妊婦が目を覚ましたときには、すでに手術が終わっており、胎児は体外に出されていた。

警察は、妊婦の同意なしに中絶を行った医師を罰する「不同意堕胎」の適用を検討していたが、法律上の犯罪成立要件が厳しく、立件が難しいため、業務上過失致傷の容疑で捜査をしているという。

「不同意堕胎」を含む堕胎罪については、韓国では4月に違憲であるという判断が下っている。

韓国では4月に「中絶禁止は違憲」の宣言が出たばかり

中絶に関する法律をめぐっては、韓国では2019年4月、中絶を禁止する刑法は憲法に違反するという歴史的な宣言が憲法裁判所で言い渡された。

先進国の中では、堕胎罪を定めている国は日本などわずかしかない。

韓国も日本と同じく、堕胎罪があるものの医師による中絶手術は「母子保護法」による一定の条件がそろえば行うことができる。

韓国ではフェミニズムの台頭もあり、女性医師が「妊婦の自己決定権を侵害し、女性の権利を限定し、身体を危険にさらしている」と訴えたことをきっかけに、審議が続いていた。

刑法改正に動くことで、女性の権利をより重んじる社会にすると期待されている。

「堕胎罪」について刑法改正されない限り、2021年1月に堕胎罪は効力を失うとしている。