岸田文雄氏の夫婦写真「家庭のありようだとご理解いただきたい」 夫婦別姓や女性活躍の質問、なんと答えた?

女性活躍に関する政策についての質問に対しては、「政治の場を含め、女性の皆さんに活躍していただくのは大変重要な課題だと思う」と強調した。
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記者会見する岸田文雄氏=9月3日、都内
Yuriko Izutani

自民党総裁選に立候補している岸田文雄政調会長が9月3日、政策発表の記者会見を開いた。

会見では、岸田氏が公式Twitterに投稿した家庭での一コマを写した写真について、ハフポスト日本版の記者が質問した。

岸田氏は「ご指摘があるということは聞いております。ああ、なるほどなと思います」と受け止めたうえで、「あの写真だけを見て『夫婦が対等ではないではないか』という意見は謙虚に受け止めるが、私は平素の生活においても自分のできる家事は分担はしているし、家庭のありようだとご理解いただきたい」と語った。

 

「家事は分担している」

9月1日に総裁選への立候補を表明した岸田氏は、その夜に妻の手料理を前に食卓に座る自身と脇に立って微笑む妻の写真をTwitterに投稿。「素敵な家庭」「時代錯誤」などの反応が寄せられていた。

ハフポスト日本版は2日、「日本のリーダーになる可能性がある政治家が発信することの意味に対して、あまりに無自覚なように思える」と総裁候補としての発信のあり方を疑問視する記事を公開。こちらにも多数の賛否や意見が寄せられている。

世界各国の首脳の写真やメッセージが、SNSを通して発信される時代。国を担うリーダーのSNS投稿は、たとえそれが意図したものでなくても、国内外に対して広くメッセージを有することになる。ジェンダー平等はグローバルな課題であり、トップの発信はその点でも注目されている。

会見で、岸田氏は写真が撮影された当時の状況について、「テレビ出演の合間に帰ってきて食事をすることになった。外から帰ってきて、(妻に食事を)作ってもらった。帰ってきてすぐ座った段階で、すぐ出かける状況で撮った写真。妻としても、食事を出した後にパッと撮った」と説明。

「あれだけ見て対等ではないと思われるのは、どうも納得が…、おかしな気がするところであります」と語った。

また、「私は妻に対して強い立場にあると思っておりませんし、家事においても風呂洗い、必要であれば皿洗い、そういったこともちゃんと分担しております」と述べた。

 

「女性が主要なポジションにつくことは重要」

この日、岸田氏が配った10項目の政策集には、「少子化対策」として不妊治療への支援や育児休業の拡充については触れられていたが、女性活躍やジェンダー平等についての記述はなかった。

この点について質問された岸田氏は、「政治の場を含め、女性の皆さんに活躍していただくのは大変重要な課題だと思う」と強調した。

外相時代に国際女性会議WAW! の開催に携わった経験に触れ、「そうした議論に私自身も参加することで、(女性活躍が)社会をどれだけ活気づけて変えているか実感した一人。男性の育児休業など、様々な女性に関わる議論に取り組んできたが、基本的に経験の中で強く女性の活躍についての思いがある。女性が主要なポジションにつくことは重要だと思う」と語った。

さらに、夫婦別姓についても「保守的な方々の中でも、家の名前を守るために夫婦別姓をという方もいる。個人の存在、個人の尊重という考えに基づいて夫婦別姓を求める人もいる。目指すもの、考え方がかなり幅広くなっているなと、多様な議論が広がっているのを感じています」と指摘。

賛否や政策には踏み込まなかったものの、「議論を深めるのが大事なのかなと思っている」と述べた。