草津の黒岩信忠町長、セクハラ告発の元議員を「100%嘘の作り話」。記者会見で疑惑を全否定

「性被害を受けた」と訴えた元町議の新井祥子氏は、「町長の会見での発言に対する反論や、リコールの受け止めなどを(今週末の)会見で話したい」としている。
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日本外国特派員協会の申し入れで会見を開く草津町の黒岩信忠町長
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【UPDATE】2022年11月22日14:15

前橋地検は、元町議の新井祥子氏を名誉毀損と虚偽告訴の罪で在宅起訴した。10月31日付。

朝日新聞デジタルなどによると、起訴内容は新井氏が2019年、町長室で性被害にあったと記載した電子書籍を公表して黒岩信忠町長の名誉を傷つけたほか、21年12月には町長から性被害を受けたとする虚偽の内容の告訴をしたというもの。

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群馬県草津町で町長からの性被害を訴えた町議が、リコール(解職請求)され住民投票の結果失職した問題で、黒岩信忠町長が12月14日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で記者会見を行った。黒岩町長は元町議の新井祥子氏の告発について、「100%嘘の作り話ででっち上げです」などとして疑惑を真っ向から否定した。

 

「刑事・民事事件とも訴えていない」

問題をめぐっては、黒岩町長が新井氏らを名誉毀損の疑いで刑事告訴し、民事訴訟でも争っている

黒岩町長は「 (新井氏と自分が)男女の関係で合意があった、なかったということがよく争点になりますが、全く何もありません」と主張。

その証拠として、「新井元議員は被害者を装っておりますが、刑事・民事事件とも訴えておりません」と指摘した。「全てと言っても過言ではないと思いますが、被害者が警察及び裁判所に訴えるべきです」

さらに黒岩町長は、新井氏が「性行為を強要された」と主張する時刻に新井氏が録音したとみられる音声に、行為の証拠となる内容が含まれていなかったことも、新井氏の訴えを虚偽だと裏付ける点として挙げた。

 

司法判断を待たずにリコールの理由

解職請求(リコール)問題をめぐっては、「司法判断で事実が明らかになる前の段階で、住民投票が行われるべきではない」といった意見も上がっていた。

これについて、黒岩町長は「裁判は時間がかかる」ことを理由に挙げた。

損害賠償を求める民事訴訟とは別に、新井氏の給料報酬の仮差し押さえ手続きの中で、前橋地方裁判所から10月に名誉毀損を認定されたことを受けて、リコールに踏み切ったと説明した。 

新井氏の解職への賛成を求める内容のチラシが公共施設に貼られたことについて、黒岩町長は「選挙であれば掲示板を設置するが、住民投票には文書規定がない。(住民投票は)初めてのケースで、町の予算の問題もあって(掲示板の設置が)できなかった。(そのため)公的な場所でもポスターを貼っていいという判断をしました」と説明。「(新井氏側からも)申請が出れば貼らせました」と述べた。

 

町民への非難に「心を痛めている」

海外メディアでも一連の問題が報じられていることについて、黒岩町長は次のように受け止めを述べた。

「大変正直言って驚いています。(ネット上の)書き込み等を見ますと、草津町そのもの、草津町民までが非難される書き込みがあって大変私も心を痛めています

「女性が、警察にも性的被害の相談所にも何も行かずにいきなりインターネットで『私は誰々に犯されました』といったことが世界に伝播される。町長が性的加害者という形で世界に流れています。大変遺憾であるし、私自身に何か落ち度があって責められることがあるのは結構だが、町民までが揶揄されることは本当に心が痛みます」

 新井氏は12月18日に、日本外国特派員協会で記者会見を行う予定。

ハフポスト日本版の取材に、新井氏は「町長の会見での発言に対する反論や、リコールの受け止めなどを会見で話したいと思います」とコメントした。