【盗めるアート展】非常事態宣言の解除後の反響は、主催者もびっくり。「イベントへの興味が沸いている」

「コスプレして盗みに行っていいでしょうか?」という問い合わせもあったという。
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前代未聞の美術展が、都内で7月10日午前0時から開催される。その名も「盗めるアート展」。ギャラリーを24時間開放し、来場者1組につき1点限りで展示作品を盗んでいいというものだ。

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「盗めるアート展」の告知
長谷川踏太さん提供

開催場所は、東京都品川区のsame gallery(セイム・ギャラリー)。伊藤ガビンさんや、アートユニット「エキソニモ」、写真家の五味彬さんなど計11組の作家の作品が展示される予定。開催期間は19日までとなっているが、全作品が盗まれ次第、展示は終了する。ギャラリーは無人だが、監視カメラは置かれているという。

6月にイベントの告知がされるとSNSを中心に大きな反響を呼んだ。ハフポスト日本版では、イベントを主催するクリエイティブディレクターの長谷川踏太(はせがわ・とうた)さんにZoomで取材した。

 

■非常事態宣言後の方が反響が大きかった

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Zoomで取材を受ける長谷川踏太さん
Huffpost Japan

―― 「盗めるアート展」を発案したきっかけは?

ギャラリーを3月7日から始めたんですが、コロナで中断していて、今回が初の企画展になります。一等地のギャラリーではなく、もともとは住宅街にある町工場……といった場所なので、実験的なことに使ってみたかったんです。

もう一つは、経済的な理由です。通常はギャラリーをオープンすると、人が常駐したり、セキュリティを強化しないといけない。でも、野菜の無人販売所や、無人の古本屋みたいな形のギャラリーをやれないかと考えていたときに「盗める」というコンセプトだったら、面白いんじゃないかと思いついたんです。

―― 普通のアート展だと「展示してある物を見る」という感じですが、そうではないものを模索していたときに思いついた?

そうですね。見にいって帰るか、見にいって買って帰るかの二択みたいな感じですが、違う関係性って作れないのかなと思ったんですね。

―― 4月からは新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言がありましたが、このギャラリーにも休業要請などはありましたか?

特に休業要請はなかったんですが、新型コロナの影響で自主的に休業していました。この「盗めるアート展」も当初は4月開催する予定でした。そのことを3月24日に告知したんですが、数日後に延期を決めました。

その後、東京都の非常事態宣言が5月25日に解除されたことを受けて、6月16日に7月開催を告知しました。興味深かったのは、Twitterで同じような告知をしたのに、非常事態宣言の前後で反響が違い、宣言が解除された6月の反響の方がずっと大きかったんです。人々のイベントへの興味がより沸いていると思いました。

―― 反響はどれぐらい違いましたか?

3月の告知時点では、参加しているアーティストの環の中で拡散が止まっていたのが、6月の告知ではその外に出ていったように思います。一般の人や、芸術のクラスターじゃない人達からの反響があったり、テレビ番組から取材が来たりしました。

さらにコスプレイヤーの人から問い合わせがあって「コスプレして盗みに行っていいでしょうか?」と、わざわざ聞いてくる人が何人かいました。コミケが中止になったり、コスプレするイベントが少なくなっていることも関係しているのかもしれませんね。

―― 何のコスプレをするつもりなんでしょう?

「たとえばルパン」と書いてありました。