封印されたアート『落米のおそれあり』が一時復活。作者の岡本光博さん「島に展示し続けたい」

主催する観光物産協会の建物に移設して、ラスト2日間だけ公開。今後の行方は…
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メディアと表現沖縄県の伊計(いけい)島で、地元住民の反対で公開中止となったアート作品が、場所を変えて公開された。参加するアートイベントが12月3日で終了するため2日間だけの公開となるが、作者はイベント終了後も「周辺の島に展示し続けたい」と語っている。

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ベニヤ板で覆われた「落米のおそれあり」(左が11月10日、右が20日)
岡本光博さん提供

京都市の美術家、岡本光博さん(49)が商店のシャッターに描いた「落米(らくべい)のおそれあり」。道路標識の「落石注意」にかけて、星条旗の横にパラシュート、戦闘機や戦車、ヘリコプターが墜落する様子を描いている。沖縄でヘリの墜落事故が相次いでいることを風刺している。

11月18日から伊計島など4島で始まった「2017 イチハナリアートプロジェクト」の参加作品だったが、店を所有する地元自治会から「政治的な主張をアピールしている」などの反対意見が出た結果、イベント前日の17日にベニヤ板で覆われてしまった。

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うるま市観光物産協会に移設された『落米のおそれあり』(12月2日撮影)
photo courtesy of ISHIGAKI Katsuko

イベントを主催する「うるま市観光物産協会」が、作者の岡本さんらの許可を得て12月1日に商店からシャッターを外し、海中道路内にある協会の建物内に、作品を移動した。2日から、イベントが終了する3日まで展示することが決まった

協会の担当者は「別の場所で作品を展示できないかと調整を続けていました。大きなサイズということもあり調整が難航したので、協会内で展示することにしました。チケットを購入する場所のすぐ近くにあるので、多くの人の目に止まっています」と話した。

今後は一旦、倉庫に保管する。その後、周辺4島で設置希望者がいれば常設展示する可能性があるという。

作者の岡本さんは、ハフポスト日本版の取材に対して、以下のように語った。

「人に見せるために作った作品なので、2日間だけとはいえ、期間内に展示できたことを喜ばしく思っています。沖縄の人にとっては当たり前の日常だからこそ、描き出したかったんです。復活に尽力してくれた、うるま市の人には感謝しています」

「今後、作品がどうなるかは決まっていません。伊計島が難しかったとしても、アートプロジェクトが開催された4つの島のどこかに、作品を展示し続けることが僕の願いです」