「シン・ウルトラマン」で38年ぶりの再挑戦。 庵野秀明さんが学生時代に自主制作したウルトラマンとは?

自身がウルトラマンを演じたことを「気持ち良かったですよ。昔からの夢でしたから」と語っていた。
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2021年に公開予定の実写映画「シン・ウルトラマン」の企画・脚本を庵野秀明さんが担当することが8月1日発表された。

 SFアニメ「エヴァンゲリオン」シリーズや、怪獣映画「シン・ゴジラ」の総監督として著名な庵野さんは若き日から特撮に傾倒し、大阪芸術大学に在学中に「ウルトラマン」の短編映画を自主制作していた。

庵野さんが素顔をさらけ出して巨大ヒーローを演じた庵野版「ウルトラマン」は、どんな作品だったか解説しよう。

■庵野さんは素顔でウルトラマンを演じた

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庵野さんが総監督を務めた映画のタイトルは、「帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令」。日本SF大会「DAICON4」のプロモーション活動の一環として制作され、1983年に完成した27分の映画だ。

 怪獣「バグジュエル」が精巧な着ぐるみなのに対して、ウルトラマン役の庵野さんは素顔で巨大ヒーローを演じているというギャップから伝説的な作品となっている。

上映機会の少ない幻の映画として知られていたが、2013年に円谷プロから正式な許諾を受けてDVD化。2016年に発売されたブルーレイボックス「庵野秀明 実写映画作品集 1998-2004」にも収録されている。

 朝日新聞社の小原篤記者は連載コラム「アニマゲ丼」の中で、この映画を見た感想を以下のように書いている

「大まじめにバカをやる若者の特権を視覚化し、わきあがる情熱と才能を『無駄使い』の方向へ暴走させたこんな規格外の熱いフィルムは、手軽で便利な映像ツールがいろいろできた現在ではもう生まれないでしょう」

■「あれは原点です」と庵野さんも振り返る

庵野さん自身も1997年に出版された「庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン」(太田出版)の中で、この映画を「あれは原点です」と振り返った上で、自身がウルトラマンを演じたことを「気持ち良かったですよ。昔からの夢でしたから」と語っている

庵野さんは劇場映画「シン・ウルトラマン」で38年ぶりに、若き日の夢をかなえることになるのか。

果たしてどんな映像になるのか、世界中の特撮ファンから期待感が高まっている。