朝ドラ「スカーレット」ヒロイン川原喜美子、モデルはいるの? NHKに聞いてみた。

戸田恵梨香さん主演のNHK連続テレビ小説「スカーレット」は2019年9月30日スタートです。
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戸田恵梨香さん
時事通信社

NHK連続テレビ小説「スカーレット」が9月30日に始まる。放送は、NHK総合・月〜土曜の午前8時からなど。同枠で現在放送中の「なつぞら」は28日が最終回だ。

「スカーレット」のヒロインは戸田恵梨香さんが演じる。

NHKが公開している番組紹介によると、作品の舞台は滋賀県・信楽(しがらき)。戸田さん演じる川原喜美子は、戦後まもなくに大阪から信楽にやってきて、両親と二人の妹と暮らしている。家は貧しく、喜美子は幼いながらも一家の働き手となる。

喜美子は15歳から大阪の下宿屋で女中として働いた後、3年後に信楽に戻り、地元の信楽焼にひかれ、男性ばかりの陶芸の世界に飛び込んでいく。

結婚・出産後も、仕事にも家庭のことにもまい進し、大好きな陶芸にいそしむ。どんなにつらいことがあっても、陶芸への情熱は消えることはなく、喜美子は自らの窯を開き、独自の信楽焼を見出していくという物語だという。

作品タイトルの「スカーレット」とは「緋色(ひいろ)」という意味。黄色味のある鮮やかな赤で、陶芸作品における理想の色のひとつだという。

作品の脚本はドラマ「ホタルノヒカリ」「母になる」などを手がけた水橋文美江さんが担当し、主題歌「フレア」はSuperflyが歌う。

 

■主人公のモデルはいるの?

朝ドラといえば、モデルとされる人物が話題となることが多い。今作にモデルはいるのか?

NHK大阪広報に問い合わせると、「『スカーレット』は、オリジナルストーリーです」と回答があった。

ただし、制作にあたっては、陶芸家の神山清子さんを取材したといい、「これまでにご経験されたことや、陶芸家としての在り方などから、影響を受けています」という。

その上で、「ドラマでは、登場人物の設定を含め、全く異なる展開を多く盛り込む予定です。神山さんご自身の半生を、ドラマ化して物語るものではありません」と説明している。

 

■陶芸家・神山清子さんとは?

「スカーレット」に影響を与えている神山清子さんとはどんな方なのか?

2018年12月4日の朝日新聞朝刊の記事(滋賀県内掲載)によると、神山さんは滋賀県甲賀市で釉薬(ゆうやく)を使わない作陶の研究を進め、女性陶芸家の草分けとして知られる方だという。息子の白血病の発病を機に骨髄バンクの設立にも奔走したという。

神山さんの半生を書いた「母さん 子守歌うたって ーー寸越窯(ずんごえがま)・いのちの記録」(那須田稔・岸川悦子著/ひくまの出版)によると、神山さんは1936年に長崎県で生まれ、幼少期に家族で滋賀に移住した。

絵が好きだったことから、陶器会社で絵付け職人の仕事を始め、長女と長男を育てながら働き続け、のちに会社を辞めて陶芸家となった。長男の賢一さんも陶芸家だったが、29歳で白血病であることが発覚し、31歳で亡くなったという。

神山さんの半生は、2005年公開の映画「火火(ひび)」(高橋伴明監督)のモデルにもなっている。神山さんを田中裕子さんが、賢一さんを窪塚俊介さんが演じた。