安藤サクラさん「子育ては24時間。映画の現場も24時間。どう両立したらいいのかわかりません」 スピーチで苦悩を語る

第42回日本アカデミー賞で、最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラさん。受賞スピーチでは、子育てをしながら役者として苦悩を語りました。
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最優秀賞受賞者の集合写真
©日本アカデミー賞協会

是枝裕和監督の『万引き家族』で主演を務めた安藤サクラさんが3月1日、第42回日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞した。

受賞スピーチでは、子育てをしながら役者として活動していく難しさを、時折涙を見せながら語った。

「子育ては24時間。全力でなければならない」

安藤さんは2017年6月、第1子を出産。『万引き家族』は安藤さんにとって、出産後の復帰作となった。

2018年にはNHKの連続テレビ小説「まんぷく」で、朝ドラ史上初めて子育てをしながらヒロインを務めている。

「育児と仕事の両立」を実現している女性として、メディアでたびたび注目が集まる存在だ。

しかし、安藤さんは撮影現場で、時に「罪悪感」を抱えてしまうこともあったという。

最優秀賞に輝き、ブロンズ像を手にした後は、「正直、これからどうやって子育てをしながら、この作品に関わる時間を作ればいいのか、ずっとわからなくて」と吐露。

「子育ては24時間。映画の現場も24時間。子育ては全力でなければならないし、映画の現場でもみんなと全力を尽くしていかなければならない」と話し、「この2つをどう両立したらいいのか、正直、いま全くわかりません」と心境を明かした。

最後は、「必ず自分の中で決着をつけて、きちんとまた映画の時間に携われるような環境に自分自身をきちんと整える」とし、「また映画の世界に戻ってきたい」と締めくくった。

安藤サクラさんの受賞スピーチ全文

さっきも言ったように、正直、これからどうやって子育てをしながら、この作品に関わる時間を作ればいいのか、ずっとわからなくて。

私は、この『万引き家族』で感じたのは、子育ては24時間。映画の現場も24時間。子育ては全力でなければならないし、映画の現場でもみんなと全力を尽くしていかなければならない。

それを、どうやってこの作品に関わりながら、どうバランスを取ったらいいのかわからなくて。

でも、私の目標は、妻として、母として、健やかな日常を送ることが、一番の目標であります。

でも、自分は幼い頃から父の環境もあり、映画の現場を見させてもらって、映画の現場というのはすごく自分にとって新しい活力を与えてくれる場所です。育った環境もあり、それがない、という時間を過ごしていないので、この2つをどう両立したらいいのか、正直、いま全くわかりません。

でも、今日この場に来て、本当に素晴らしい先輩方の姿を見て、そして短い期間ですけれども自分がこの映画に携わった時に、本当にお世話になった方々が、今日の追悼のところに...。

もう会えなくなってしまった方々を見て、その方達と出会えた時間、そして今まで作品で関わらせていただいた先輩方と過ごした時間を、これから生きていく時間に活かしていけたらいいかなと思っていたんですけど...。やっぱりどうしたって、ものすごい映画の世界の人には憧れを抱いてしまうんだな、ということをはっきり自覚しました。

だから、今日ずっとこの授賞式が始まってから、自分がそういう曖昧な気持ちでいることがすごく嫌で、ずっとモヤモヤしていたんですが、こうやって素晴らしい賞をいただくことができて。

必ず自分の中で決着をつけて、きちんとまた映画の時間に携われるような環境に自分自身をきちんと整えて、また映画の世界に戻ってきたい、って思いました。

本当にありがとうございます。

優秀主演女優賞、受賞者一覧

安藤サクラ 「万引き家族」
黒木華 「日々是好日」
篠原涼子 「人魚の眠る家」
松岡茉優 「勝手にふるえてろ」
吉永小百合 「北の桜守」