『進撃の巨人』エレン役の梶裕貴さんが声優を続ける理由 「悔しくて、諦めたくなかった」15年の歩み

「進撃の巨人」最新シーズンが4月下旬に始まった。主人公エレン・イェーガー役を務め、新たにテレビドラマでも俳優として演技を披露している声優・梶裕貴さんに話を聞いた。
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インタビューに応じる梶裕貴さん
ERIKO KAJI

進撃の巨人」の主人公エレン役を務める声優・梶裕貴さんが、デビュー15周年を迎えた。4月下旬には、最新シーズンが始まった。

最近では週刊少年ジャンプの人気作品「鬼滅の刃」で錆兎役を務めるほか、これまでに週刊少年サンデーの「マギ」のアリババ・サルージャ役や、週刊少年マガジン「七つの大罪」の主人公メリオダス役を担当している実力派だ。

声を吹き込む仕事だけでなく、歌手としてCDを発売し、2017年からは日テレプラスで初のTVでの冠番組を持つなど、多方面で活躍してきた。この春には、テレビドラマで俳優として演技に挑んだ。

今後も「舞台やミュージカルにも、チャレンジしてみたい」と語る梶さん。様々な業種に挑む裏側には、声優としてのポリシーがあるという。

そんな梶さんに、15年間続けてきた声優という仕事について、そしてこれからの活動についての思いを聞いた。 

 あれも、これもなりたかった子ども時代

梶さんが声優に憧れたのは、中学2年生の時だった。それまでは、目に映る色んな職種に憧れを抱き、その都度やりたいことが移り変わっていた。「子どものころから、色んな夢を持つことや夢に向かって頑張ることが好きでした。“週刊少年ジャンプ”みたいな子どもでしたね」と笑う。 

 「サッカー選手になりたいと思ったら、サッカーボールしか蹴りたくなかったし、漫画家になりたいと思ったら、絵しか描きたくないとか、結構極端な子どもでした。色んなものに影響されて色んな夢を持ちました。授業があれば友達と遊ぶこともある、そんな中学校生活のなかで、その都度その都度、その道のスペシャリストになりたかった」 

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サッカーボールのイメージ写真
TuiPhotoengineer via Getty Images

 そんな中で、中学校2年生のときに現在の職につながる言葉を耳にした。「『声優という職業は何を頑張っても全部自分の力になる職業』だと。これを聞いたとき『自分にピッタリだな』と感じました」と振り返る。

何にでも興味を持って、何でも頑張りたい人間だった。そのすべてが集約されている仕事は「声優だ」と思った。思い続けて、その夢だけは変わらず今に至っている。

いまは足りないものだらけ。「声優」の仕事に思うこと

「今は、自分でやれるだけのことを“声優”としてやりたい。まだ足りないものだらけなので、『磨く』ことだけしか考えていない。でもやる以上は、そこに誇りをもってやっています」

アニメの吹き替えやナレーションを担当する「声優」の仕事を飛び出し、マルチに活動する梶さんは、ともすればがむしゃらに色んな分野に挑戦しているようにも見える。

今回、ドラマに出演を決めた理由について問うと、少し間をおいてぽつりと話した。

「声優も、色んな形があっていいのかなって」。梶さんはその挑戦に意味があると言う。

「大前提として“声優”としての自分がしっかりとあるなかで、色んなことを経験して声優業にフィードバックしていきたい。生きていくうえですべてが役に立つ。無駄なことはないんじゃないかな」と頷いた。 

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インタビューに応じる梶裕貴さん
ERIKO KAJI

 そして「機会がなければ、こうした映像のお芝居はやらせてもらえない。そこで学べること、気づくことがある。いつも、絵が動いてくれていたものが、自分だったらこういう動きをするのかなって発想につながっていった。これは挑戦しないと分からないことでした」と続けた。

人気を得たいまも「悔しい思いはたくさんします

これまでも「Over Drive」の主人公・篠崎ミコト役、「ギルティクラウン」の主人公・桜満集役、「アクエリオンEVOL」の主人公・アマタ ソラ役などを演じ人気を博してきたが、2013年に、進撃の巨人でエレン役に抜擢されたことで、一躍トップ声優としてブレイクを果たした。

だが、人気を手に入れた今も、デビュー間もなくで仕事がなかったころの悔しさや焦りは常に背後にあるという。「オーディションは今でも落ち続けています。9割以上はオーディションで配役が決まるので、悔しい思いは今もたくさんします」と語る。

特に新人のころは、同期との仕事の優劣を比べてしまい、心が折れそうになったことも。「そもそも『仕事がない!』から始まるんです。同期がどんどん色んな仕事をしていく中で、自分はチャンスすら得られなかったこともあった」という。

もし声優にならなかったら。

梶さんは子ども時代を振り返り「声優とは全然関係ない仕事を面白そうだなと思っていた時期もありましたよ。お花屋さんとか、保育士さんとか。あとはコピーライターとか。知識があるわけじゃないですが、お花結構好きなんです」とはにかんだ。

直後、少し目線を落とし「でも、どんなお仕事でも大変ですよね。どれも途中で『嫌だ、辞めよう』と思うことはあるでしょうけど、そう思ったらそれまで。声優を続けられたのも、やっぱり悔しくて、諦めたくなかったから」と話した。

そんな不遇の時代を経て、主役級のオーディションに通るようになった経緯を「『いつか自分のお芝居を見てもらいたい』『自分の声を聞いてほしい』という思いで続けてきたことが大きい。腐らず続けてきたこと、ですかね」と力を込めた。

「求められる役者」でありたい

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梶裕貴さん
ERIKO KAJI

 「お芝居がしたい」というよりは「生きている全部が自分の仕事に生きてくる」ことに魅力を感じ、スタートした声優の道。 

これからも、声で演じる仕事を続けていくうえで「求められる役者」でありたいという。

「クリエイターの方々…0から1を生み出す方々に『面白い』と言われる演技でないと、そこから先、視聴者の皆さんにも届かない。やっぱり新しいところに挑戦し続けて、新しい表現ができる役者でありたいと思います」と語る。

初めて芝居に触れたのは、高校生になって部活で演劇を始めてからだという。

今回、声優としてではなく、ドラマの出演者として演技をする。dTVで配信される「遊戯(ゲーム)みたいにいかない。~dTV限定版~」の裏沢直人役は、芝居になると熱い気持ちが爆発して豹変する「芝居バカ」。コミカルで強烈なキャラクターだ。

「演劇部のころを思い返してみれば、“その夢その夢に向かって頑張っていた自分”を演じていたところもあったのかな、と思います。いま、声優という仕事で、色んな役を通して、色んなお仕事を経験している。そういう意味では、僕も直人の『芝居バカ』がちょっと分かる気がするんです」

【番組情報】

遊戯(ゲーム)みたいにいかない。

日本テレビにて毎週水曜 深夜24:59~25:29 放送中

「遊戯(ゲーム)みたいにいかない。~dTV限定版~」(全2話)

dTVで見逃し配信中

dTV特集サイトはこちら。(https://mitaini.dtv.jp/

 

進撃の巨人」season3(#50~)

NHKにて毎週月曜 午前0時10分 放送中(日曜深夜) 
※関西地方は同日 午前0時45分から

〈地上波以外の配信先〉