イラン・サッカー選手の死刑中止を求める署名に140万人が賛同。シャキーラも「正義のために声をあげて」

ワールドカップ決勝戦の日、シャキーラは「アミール・ナスルという人が、女性の権利を守るために声を上げ、死刑を宣告されたことを思い出してほしい」と訴えた
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メキシコシティにあるイラン大使館の外で行われた抗議活動。すでに死刑を執行されたモフセン・シェカリさん、マジドレザ・ラフナヴァルドさん、そして死刑宣告されたアミール・ナスル・アザダニ選手の写真を掲げる参加者(2022年12月19日)
NurPhoto via Getty Images

「アミール・ナスル・アザダニ選手の死刑執行を中止せよ」

抗議活動に参加して死刑を宣告された、イラン男子プロサッカー選手アミール・ナスル・アザダニさんの死刑取り消しを求める声が高まっている。

オンライン署名サイトChange.orgで立ち上がったキャンペーンには、12月20日16時時点で140万人以上が賛同している。

イランでは、22歳だったマフサ・アミニさんの死をきっかけに、女性の権利や自由を求める大規模な抗議活動が続いている。

 

アミニさんは9月、ヒジャブで髪をしっかり覆っていなかったという理由で道徳警察に身柄を拘束された後に死亡した。

 

通信社イランワイヤによると、ナスル・アザダニ選手も抗議活動に参加していたが、11月に革命防衛隊のメンバーらが殺害された事件に関与したとして身柄を拘束され、絞首刑を宣告された。

 

しかし、関係者は「ナスル・アザダニ選手は殺害された場所にはおらず、スローガンを叫ぶ抗議活動に数時間加わっていただけだ」とイランワイヤに話している。

この死刑宣告をめぐり、国際プロサッカー選手会(FIFPRO)は12月12日、「アミール・ナスル・アザダニ選手が、自国で女性の権利と基本的な自由のための活動をした後にイランで死刑に直面していると知り、ショックを受けている」とツイート。

「私たちはアミールに連帯して立ち上がります。そして即刻処罰を撤回することを求めます」と、死刑取り消しを求めた。

また、サッカー男子ワールドカップの決勝が行われた12月18日には、歌手のシャキーラさんもTwitterで連帯を呼びかけた。

「ワールドカップの最終日の今日、出場する選手と世界中の人たちに、仲間のサッカー選手であるアミール・ナスルという人が、女性の権利を守るために声を上げ、死刑を宣告されたことを思い出してほしい」

「私たちの心で、1分の沈黙以上のものが存在し、何が重要かを思い出し、そして多くの声が団結して正義のために叫ぶことを願っています」

ナスル・アザダニ選手はイランのイスファハン出身で、ラーフ・アーハンやトラークトゥールなど、国内の複数のチームでプレーした。

イラン・ヒューマン・ライツによると、イランではすでに抗議活動に参加した、モフセン・シェカリさんとマジドレザ・ラフナヴァルドさんの2人に対し、死刑が執行されている。また、少なくとも39人が死刑を宣告されているほか、子どもを含む469人以上が治安部隊に殺害された。

ナスル・アザダニ選手にいつ死刑が執行されるかはわかっていない。イランワイヤは親戚の話として「ナスル・アザダニ選手の家族は、大騒ぎして海外メディアなどに話をすれば死刑が執行されると脅された」と報じている。