フランスの“ファーストドッグ”は元・保護犬。マクロン大統領、黒い雑種犬「ネモ」を官邸に引き取る

歴代大統領に受け継がれてきたある種の伝統だ。
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Charles Platiau / Reuters
ネモと名付けられた新たな「相棒」とともにエリゼ宮のステップを歩くマクロン大統領。

フランス大統領官邸が、新しい住人を迎える。

大統領府は8月28日、エマニュエル・マクロン大統領と夫人のブリジットさんが、動物愛護協会(SPA)から保護犬を引き取ったことを認めた。犬種はラブラドールとグリフォンの交配種で黒のオス犬。

犬は「ネモ」と名付けられた。2017年が「Nの年」であることにちなむが(フランスでペットを届け出る際には、毎年異なる決まった頭文字を使った名前にしなければならない)、直接の由来はマクロン大統領がとりわけ好む、ジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』に登場する有名な船長だ。

官邸に集まったジャーナリストの前にちらりと姿を見せたネモは、ロイター通信の記者によって写真に収められた。

「@pixhartmannが見つけたマクロンの新しいペット犬。 ジュール・ヴェルヌの小説の登場人物にちなんでネモと名付けられた、ラブラドールの雑種」

Nouveau locataire à l'@Elysee : Nemo. Un chien noir adopté ce week-end à la SPA par le couple Macron @LCIpic.twitter.com/ZUxfrXcWWj

— Alison TASSIN (@AlisonTassin) 28 août 2017

「エリゼ宮殿に新しい住人、ネモ。今週末にマクロン夫妻が動物愛護協会から引き取った黒のオス犬」

Le couple Macron a adopté 1 chien à la SPA ce week-end. C'est 1 croisé labrador-griffon noir, baptisé Némo #Point20MillesLieuxSousLesMers

— Aurélie Herbemont (@aurelherbemont) 28 août 2017

「マクロン夫妻が今週末、動物愛護協会から1匹の犬を引き取った。黒のラブラドールとグリフォンの雑種で、ネモと名付けられた」

Sinon l'Élysée nous confirme que @EmmanuelMacron a adopté ce week-end à la SPA un chien, croisé Griffon/Labrador noir baptisé Némo 🐶🇫🇷

— JeanBaptiste Marteau (@jbmarteau) 28 août 2017

「大統領府はエマニュエル・マクロンが今週末、動物愛護協会からラブラドールとグリフォンの黒い雑種犬を引き取ったと認める。犬はネモと命名」

エリゼ宮殿にペット犬が迎え入れられたのはこれが初めてではない。むしろそれはフランス歴代大統領に受け継がれてきたある種の伝統で、これまでも犬種としてラブラドールが好まれることが多かった。

もっとも有名な例はフランソワ・ミッテラン元大統領が飼っていたメスのラブラドール、バルティック。1987年生まれのこのメス犬は、エリゼ宮でミッテラン元大統領が過ごした2期14年の任期を共にし、"ファーストドッグ"としての在任記録を作った。一躍フランス国民の人気者となったバルティックは、数多くのエピソードを残し、その人気ぶりから銅像が建てられるまでになった。

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ミッテラン元大統領とラブラドールのバルティック。
STR New / Reuters

2014年には、フランソワ・オランド前大統領がオスのラブラドール犬をプレゼントされ、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸を果たした探査機にちなんで「フィラエ」と名付けられていた。また2009年にはニコラ・サルコジ元大統領とその夫人カーラさんもメスのラブラドールを贈られており、こちらは夫人の名前をとって「カーラ」と命名されていた。

ジャック・シラク元大統領はすでに首相のときにオスのラブラドールをプレゼントされていたが、彼がエリゼ宮のお供に連れてきたのは「スモー」と名付けられた(シラク氏は大の相撲好きで知られる)マルチーズだった。

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シラク元大統領とマルチーズのスモー。
Philippe Laurenson / Reuters

ハフポスト・フランス版より翻訳・加筆しました。

権力の座についたキュートな動物たち
プーチン大統領のコニー(01 of09)
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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(左)と、ロシアで最初の女性宇宙飛行士であるワレンチナ・テレシコワ氏と、プーチン氏の飼い犬「コニー」。\n\nモスクワ郊外のノヴォ・オガリョヴォにあるプーチン邸で、テレシコワ氏の70歳の誕生日を祝う様子を撮影したもの。2007年3月6日撮影。 (credit:Getty Images)
オバマ家のボー。(02 of09)
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2010年7月17日、バラク・オバマ米大統領がメイン州バー・ハーバーで家族と休暇を過ごす様子。\n\n妻のミシェル、娘のマリア(左)、サーシャ(右)、そして犬の「ボー」と一緒に、ベース・ハーバー・ヘッド・ライト灯台へ向かっている。 (credit:Getty Images)
ニューディール時代の大統領と犬(03 of09)
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フランクリン・ルーズベルト大統領は、スコティッシュ・テリアの「ファラ」を飼っていた。\n写真は U.S. National Archives and Records Administration(Wikimediaより) (credit:WikiMedia)
クリントン大統領のバディ(04 of09)
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(自身の不倫問題を扱った)スター報告書で批判されていたころ、クリントン大統領にはほんとうに「バディ」(友だち)が必要だっただろう。\n写真はWikimedia (credit:WikiMedia)
クリントン大統領のソックス(05 of09)
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クリントン大統領時代の記者会見の常連だった猫のソックス。別名「ファースト・キャット」。1989年生まれ、2009年没。\n写真はWikimedia (credit:WikiMedia)
ウイルソン大統領の羊(06 of09)
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ホワイトハウス前の芝生を刈る経費を削減するために導入された羊たち。1914年撮影。\n写真はWikimedia (credit:WikiMedia)
ケヴィン・ラッド前オーストラリア首相の犬アビー(07 of09)
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ケヴィン・ラッド前オーストラリア首相の犬アビー\n写真はWikimedia (credit:WikiMedia)
「英国首相官邸ネズミ捕獲長」は正式な地位(08 of09)
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デーヴィッド・キャメロン英首相が、ネズミ狩りの長である猫「ラリー」を、バラク・オバマ米大統領に紹介している。2011年5月25日、英国首相官邸にて撮影。\n\n[英国首相官邸には、首相官邸ネズミ捕獲長(Chief Mouser to the Cabinet Office)という肩書きをもち、公務員とみなされる猫が住んでいる。こうした猫は1500年代から存在。首相の私物ではなく、「任期」が首相のそれと一致することは無い。なお、ラリーは職務に熱心ではないため2012年9月に更迭されたが、ヒラ猫として勤務を続けているという]\n写真はWikimedia (credit:Wikimedia)
ジョージ・W・ブッシュ元大統領とペットの「バーニー」、「ミス・ビーズリー」(09 of09)
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ホワイトハウスに到着した大統領専用ヘリ「マリーンワン」から降りたったジョージ・W・ブッシュ元大統領。ペットの「バーニー」(左)、「ミス・ビーズリー」(右)とともに。2006年8月13日、ホワイトハウス前のサウス・ローンにて撮影。 (credit:Getty Images)