ブルネイ、同性愛者の性行為への死刑適用を猶予。国王がテレビ演説

同国のLGBTの人々は安堵の声をあげた一方、引き続き死刑廃止を求めている
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東南アジアのブルネイのボルキア国王は5月5日、不倫や同性愛行為で有罪となった被告に対する死刑の適用を猶予する方針を発表した。同国が4月に施行した厳格なイスラム新法に対して、国際社会から非難を受けたことへの対応と見られる。CNNなどの海外メディアが、6日報じた。

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ブルネイのハサナル・ボルキア国王
Le HuffPost

CNNによるとボルキア国王は、テレビ演説で死刑の適用に関して猶予期間を延長することを表明し、国連の拷問等禁止条約を批准する考えも明かした。

同国王はイスラム新法について、「誤解による懸念が生じている。しかし、誤解が払拭されれば、法の利点は明らかになる」と言及した。

同国は2014年、東アジアの国として初めて国レベルでイスラム法のシャリアを導入し、法整備や刑罰の導入を段階的に進めてきた。

シャリア法は同性愛者の性行為などについて、投石や鞭打ちなどによる死刑などの罰則を設けており、国際人権団体から非難の声が上がっていた。

LGBTの人々の不安は依然として残る

この発表を受け、LGBTや人権活動家の間では安堵と祝福の声が広がったが、一部の団体は、厳罰を定めた法律を廃止する必要性を訴えている。

CNNによると、人権団体ブルネイプロジェクト創設者・マシュー・ウルフ氏は「ブルネイ国内のLGBTの人々は依然として、刑務所での鞭打ちなど懲罰に直面する可能性がある」と語った。

海外のセレブたちも新法を批判

俳優のジョージ・クルーニーや歌手のエルトン・ジョンなど海外セレブらが、ブルネイに批判的な姿勢を見せていた

ジョージ・クルーニーは「新法(シャリア)は、人権を侵害している」と述べ、同国が所有するホテルの利用をボイコットを呼びかけていた。

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ジョージ・クルーニー
JP Yim via Getty Images