葛飾北斎の巨大壁画、モスクワの団地に出現

ゴッホも称賛した「神奈川沖浪裏」が6棟を彩る。地域のランドマークに
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モスクワ市長のTwitterより
Twitter/MosSobyanin

葛飾北斎の浮世絵「神奈川沖浪裏」の巨大な壁画が、ロシアの首都モスクワに出現した。 モスクワ市長のセルゲイ・ソビャニン氏が12月10日、公式Twitterで紹介した

郊外のブトーヴォ地区に建設された6棟のマンションの壁面に、「神奈川沖浪裏」の巨大な波が描かれている。壁画の総面積は6万平方メートルで、すでに地域のランドマークになっているという。

これは、森に囲まれた「エタロン・シティ」というニュータウンの一部だ。ここを開発した不動産業者エタロングループの公式サイトによると、他のマンションもニューヨーク、シカゴ、バルセロナなど世界各地の街をイメージしたカラフルな壁画が描かれている。

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エタロン・シティの完成予想図。不動産業者「エタロングループ」の公式サイトより。
etalongroup.com

北斎の壁画について、日本語圏のTwitterでも話題になり、「これは迫力!」「素晴らしいアートじゃなイカ」「モスクワでも人気があるんだ」と反響を呼んでいる。

■巨匠に影響を与えた「神奈川沖浪裏」

「神奈川沖浪裏」は、北斎が手がけた「富嶽三十六景」の一つ。ダイナミックな大波に翻弄される人々の向こうに小さく富士山が見える構図で、世界的に知られている。

オランダの画家ゴッホは弟テオに宛てた手紙の中で、この絵を褒め称えた。フランスの作曲家のドビュッシーも、交響詩『海』のオーケストラ用の楽譜の表紙に「神奈川沖浪裏」を使用している。

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ドビュッシーの『海』の楽譜の表紙(1905年版)
Getty Editorial