「北方領土を日本に引き渡すのは反対」。モスクワで1月20日に集会。首謀者は反プーチンの活動家

スローガンは「クリルの代わりに、プーチンを日本にくれてやれ!」
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北方領土を日本に引き渡すことに反対する集会を開く「左翼戦線」のリーダー、セルゲイ・ウダリツォフ氏=2018年7月、モスクワ
Anadolu Agency via Getty Images

北方領土をロシアが日本に引き渡すことに反対するロシアの政治団体による集会が1月20日、モスクワで開かれる。主催者がTwitterで明らかにした。

この2日後に予定されている安倍晋三首相のロシア訪問に合わせての開催とみられる。

同様の集会は極東ロシアなどでも開かれており、引き渡し反対の世論がロシア国内で高まる可能性がある。

集会を計画しているのは、セルゲイ・ウダリツォフ氏(41)が率いる政治団体「左翼戦線」など。左翼戦線は国会に議席はないものの、ロシアの社会主義国家への回帰を目指しており、ロシア共産党と近い関係にある。

一方でプーチン大統領には反対の立場で、2012年にプーチン氏が大統領復帰を決める選挙の直前には「反プーチン集会」を企画するなどした。

ウダリツォフ氏のTwitterによると、集会は20日午後1時からモスクワ市中心部の広場で予定している。日本大使館の近くだ。

集会への参加を呼びかけるFacebookページによると、主催者は「ロシア領に関するすべての問題は、非公開の会談の結果ではなく、全国民が参加する国民投票にのみ決められなければならない」として、日本のみならず、ロシアのプーチン政権も批判している。

集会のスローガンとして、「ロシアの領土一体性を守ることを要求する!」「クリル諸島(北方領土のロシア側の呼称)の問題は国民投票で解決せよ!」「クリル諸島を日本に引き渡すことに反対する!」「クリルの代わりに、プーチンと与党『統一ロシア』を日本にくれてやれ!」を発表している。

15日夕現在(日本時間)で、Facebookページで表明された「参加予定」「興味あり」の数は約100人に上る。

左翼戦線を含め、ロシアでは最近、サハリンやシベリアなどの地方でも北方領土の日本への引き渡しに反対する集会などが開かれている。