「月300時間労働が義務だった」ブラック告発の社員を契約解除、急成長の中国ITに批判集中。企業は「デマ」と反論

「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」は創業から約3年でアメリカ上場を果たした急成長企業。一方で労働環境が疑問視されていて、告発動画には190万もの「いいね」が。

社員の死亡が相次いでいる中国のIT企業で、「会社に救急車が来ている」などと写真付きでSNSに投稿した男性社員が契約解除された。

男性はその後、SNSに動画をアップし「月間300時間の労働を義務付けられていた」などと過酷な労働環境を告発。会社側は「デマをばらまいた」と否定したが、中国ではIT企業などで長時間労働が社会問題化していて、SNSでは批判の声が上がっている。

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労働状況を告発する男性の動画(ウェイボーより)
ウェイボーより

■告発動画は190万“いいね”

SNSで議論を呼んでいるのは、通販プラットフォームを手がける「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」。同じ商品に対し、複数の人が購入の意思を示せば割引価格で買える「共同購入」というシステムなどを目玉に、2015年の創業から約3年でアメリカ・ナスダックに上場を果たした

拼多多では社員の死亡が相次いでいる。20年12月29日には、新疆ウイグル自治区で20代の女性社員が帰宅中に倒れ死亡したと発表した。女性の倒れた時間が午前1時半だったこともあり、「過労死ではないか」と疑問の声が上がった。

また、現地メディアによると1月9日には湖南省長沙市で社員が亡くなり、自殺と発表された。

そうしたなか、7日に現地のSNSに救急車の写真を貼り「拼多多の社員が倒れた」と匿名で投稿した社員が契約解除された。この男性は10日、SNSに自身の顔を出した動画をアップし、「上海の本部では月間300時間の労働を義務付けられていた。部署によっては380時間」「法定休暇も強制的に削られた」などと告発。「世界がこんな形であっていいわけがない」とも訴えた。

この動画には190万もの「いいね」がつけられるなど、現地のネットユーザーから注目を集めた。中国では、IT業界などで長時間労働が社会問題になっていて、「朝9時から夜9時まで週6日働く」を意味する「996」という言葉が一般化している。

この動画にも「反抗しなければもっと悪くなるだけ」「悪に対して黙っていてはいけない」などと男性を擁護するコメントが多く寄せられた。

これに対し会社側は11日、複数の現地メディアに対し声明を発表。男性が元社員だと認めたうえで、契約解除の理由は救急車の写真をネットにアップしたことではなく、これまでにも匿名SNSで会社に対し「悪意のある極端な言論」を続けていたことだと釈明。長時間労働を強いていたという主張もデマだとした。

しかしこれに対しても「後付けの理由だ」「匿名なのになぜ男性を特定できたのか」などと批判的なコメントが寄せられている。