「悲劇だ」。結婚式を延期し治療続けた29歳医師、新型コロナ感染で死亡

同僚が恋人のそばで休むよう勧めたが固辞。彭さんが病に倒れたのはその翌日だった。

予定していた自らの結婚式を延期し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療にあたっていた中国・武漢市の医師、彭銀華(ほう・ぎんか)さんが感染のため亡くなった。29歳だった。

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彭銀華さんとみられる男性
ウェイボーより

■「家族の多い人休ませて」

彭さんは武漢市の医師で呼吸器科などが専門。現地メディア楚天都市報などによると、彭さんは2月1日に自身の結婚式を予定していたが、武漢市内で感染者が広まったため「新婦」となるはずの恋人の理解を得て現地の病院で治療にあたることになった。

当時は医療スタッフも十分とはいえず、彭さんは地元の医師として昼夜を問わず働くことになった。1月24日、同僚が彭さんを気遣い恋人のそばで休むよう勧めたが「私は若いので大丈夫です。もっと家族の多い人を休ませてあげてください」と固辞したという。彭さんは恋人と短く電話をしたあと、すぐに現場に戻った。

彭さんが発症したのはその翌日だった。すぐに入院したが、30日には症状が悪化し、2月20日夜に息を引き取った。

この出来事は「もう招待状は送られなくなった」などと中国で広く報じられ、「悲劇だ」「残された新婦を思うとあまりに辛い」と悲しみが広がっている

彭さんが治療にあたっていた武漢市の病院で働いているという看護師は、自身のウェイボーにピースサインをした彭さんとみられる男性の写真を掲載。「(完治した患者の)血漿製剤を使ったあとは症状が良くなると思っていました。このような形であなたを知ることになるのは残念です。ご冥福をお祈りいたします」と投稿した。