陰謀論を報じるFOXを「擁護できなくなった」。人気司会者が移籍理由を明かす

トランプ氏が敗北した大統領選後に事実を疑問視するようになった、とFOXの変化を語っています
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2021年に、FOXからライバルのCNNに移籍した放送ジャーナリストのクリス・ウォレス氏が、「2020年大統領選の後、FOXの報道がどんどん擁護できないものになった」とニューヨークタイムズに明かした。

同局が報じる政治的な陰謀論にも危機感を抱き、「FOXの番組制作に居心地の良さを感じられなくなった」という。

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大統領選討論会の司会をしたクリス・ウォレス氏(2020年9月29日)
Pool via Getty Images

大統領選後、事実を疑問視するようになった

ウォレス氏がFOXニュースに加わったのは2003年。長年仕事環境に満足していたものの、2020年11月にドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領で敗北して以降、局内での変化を感じるようになったという。

「保守やリベラルなど、さまざまな意見があるのは良いことだと思います」「しかし、2020年の選挙の本当の勝者は誰なのか、1月6日の出来事(アメリカ国会議事堂襲撃事件)は本当に暴動だったのか――など、FOXの人々が事実を疑問視するようになった時、これは擁護できないと思いました」と、ニューヨークタイムズに語る。

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クロスカントリーのオリンピック金メダリスト、キッカン・ランドール選手を招いた番組で司会するウォレス氏(2019年11月1日)
Gary Gershoff via Getty Images

陰謀論を報じることに危機感

ウォレス氏は、FOXのドキュメンタリーシリーズ『Patriot Purge(愛国者の粛清)』にも危機感を抱いていたという。 

『Patriot Purge』はFOXニュースのタッカー・カールソン氏のドキュメンタリーシリーズで、「アメリカ国会議事堂の暴動は、極右を悪者扱いするための偽旗作戦だ」などの、根拠なき陰謀論を展開している。

このシリーズには局内外からの批判が起き、FOXニュースのジェラルド・リベラ記者は、「扇動的で言語道断、裏付けがない」と酷評した。

ウォレス氏もこのシリーズについて「経営陣に直接問題提起した」と、ニューヨークタイムズに明かしている。

すべてを忘れたかった

こういった変化から、ウォレス氏は「仕事が満足にできなくなり、2021年の大半は、新しい職場を探した」と移籍理由を説明する。

カールソン氏を含めたFOXニュース解説者の中には、ウクライナに侵攻したプーチン氏を擁護するような発言をする人もいる。

ウォレス氏は、そういった発言について感想を求められ、「FOXをやめた理由の一つは、そういったことすべてを忘れたかったからだ」と語った。

ウォレス氏が司会するCNN+の新しい番組「Who’s Talking to Chris Wallace?」 は3月29日にスタート。伝統的な政治の範囲を超えた、さまざまなゲストを招く予定だという。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。