グレタ・トゥーンベリさんがスピーチで“How dare you?“を封印した理由。「人々は事実を覚えていない」

「私たちは待つ必要はありません。今すぐ変わり始められるのです。私たちがその“人々”です」

スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)が日本時間の12月11日、スペインで開かれているCOP25のイベントに登壇し、「科学から目を背けている時間はない」などと呼びかけた。BBCなどが報じた。

トゥーンベリさんは9月の国連気候変動サミットで話題を呼んだ「How dare you?(よくもそんなことを)」などのフレーズを封印。一人一人が行動を起こし環境問題に取り組むことの大切をさを訴えた。

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COP25の関連イベントでスピーチするスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(スペイン・マドリード)
EPA=時事

■「言葉ばかりが注目され...」

トゥーンベリさんはスウェーデン出身の環境活動家。2018年に、温暖化対策を取らない大人へのメッセージとしてスウェーデン議会の前に座り込む活動を開始。世界中の若者たちが参加する運動にまで発展した

また、9月にニューヨークで開かれた国連気候変動サミットでは、「How dare you(よくもそんなことを)」などと大人たちに訴えかけるスピーチが話題を呼んだ。

今回、トゥーンベリさんが登壇したのは、スペイン・マドリードで開かれているCOP25の地球温暖化をテーマにしたイベント。前回注目されたフレーズについて「今日はこのようなフレーズは使いません。言葉ばかりが注目され、人々は事実を覚えていないからです」と切り出した。

その上で「私たちには、もはや科学から目を背けている時間はありません」と訴えた。

トゥーンベリさんは、世界全体の気温上昇を1.5度以内に抑えるためには、世界で排出できる温室効果ガスは420ギガトン以下しかないと指摘。豊かな国が率先して排出量の削減目標を達成し、比較的貧しい国を手伝うべきだと呼びかけた。

そして、厳しい指摘が、温暖化対策に本腰をあげない政治家や大人たちに向けられる。

「物事の全体像を見ない限り、この危機を乗り越えることはできません。包括的な解決策を見つけること、それがこのCOPでなすべきことの全てです。しかし、それが各国は“抜け穴”について議論し、(問題に取り組む)姿勢を強めることを回避するための場所に変わってしまっているように見えます」

「最大の脅威は、政治家やCEOたちが行動をとっているように見せかけていることです。実際は(お金の)計算や、クリエイティブなPR活動しかしていないのに」

■「今すぐ変われる」

トゥーンベリさんは、今の地球が置かれている状況を次のように喩えた。

「非常事態においては、人々はその振る舞いを変えます。もし子供が道路の真ん中に立っていて、猛スピードで車が突っ込んできたら、見過ごすことはできないはずです。それに耐えられないから。すぐに飛び出してその子を助けるでしょう」

そして希望は政府や企業ではなく、市井の人々が生み出すものだとしたうえで「私たちは待つ必要はありません。今すぐ変わり始められるのです。私たちがその“人々”です」と締めくくった。