「帰ってスラムダンクでも見なさい」新型肺炎、外出禁止の呼びかけにドローンが活躍。キレ抜群のツッコミも

中国版DJポリス...?

新型コロナウイルスによる肺炎が広がる中国で、不要不急の外出を控えさせるためのあの手この手の取り組みが話題だ。

なかでも活躍めざましいのはドローンで、上空から人が集まっていないかを確認できるうえ、備え付けのマイクで直接帰宅を呼びかけられる機能が役立っている。

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湖北省でドローンを操作する警察官
Reuters

■喋るドローンで管理

共産党機関紙・人民日報デジタル版が掲載したのは、農村とみられる場所をドローンに搭載されたカメラで映した動画。マスクをしていない高齢の女性がカメラをじっと見つめている。

ドローンは備え付けのマイクを通じて話しかける。

「おばあちゃん、見てなくていいから。これは村のドローンね。マスクしないでむやみに出歩かないで。みんな言っているのに聞かないからドローンが飛んで来たんですよ」

村人に言われてもマスクをつけなかった女性も、流石にあっけにとられた様子で家に戻っていく。ドローンは背後から「家に帰ったら手を洗ってね」と呼びかけた。

さらに抜群のキレで帰宅を促したのが南京市の城管(都市管理組織)だ。

公式ウェイボーが2月4日に紹介している動画によると、人が集まるのを防ぐため一時的に閉鎖したバスケットコートで、プレーに熱中する若者たちを発見。マイクで「感染が広がっていますので外で集まるのはやめてください」と話しかけた。

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南京城管の公式ウェイボーより
南京城管の公式ウェイボーより

ドローンはさらに畳み掛ける。

「今は実技は必要ない。自分の技術を信じよう。家に帰って“スラムダンク”を見て理論の勉強に充てましょう」

ちなみにスラムダンクは、中国でも若者なら誰もが知っているほどの大人気アニメ。若者たちはすごすごと帰り支度を始めたが、城管の職員は変なスイッチが入ったのか「そんな薄着なの!?寒くない?風邪ひくよ?」と心配し始める。

その後城管のドローンは、素直に指示に従う若者たちに「手を振ってサヨナラ(日本語)しましょう」とご機嫌な様子。しかし若者がコートから出る時にある異変に気付く。

「そこ入り口...?あんたたち金網破って入ってきてんじゃねーか!」と再びヒートアップ。人民日報によると、このコートの金網はこれまでに2度破られていたという。

それでも最後は「今は(NBAのスター)レブロン・ジェームスでも外でプレーしないよ。家に帰ってゆっくりしなさい」と愛のあるメッセージを送っていた。

日本でも渋谷のハロウィンなどでユーモアを交えながら交通整理にあたる「DJポリス」が話題となった。現地SNSウェイボーでは「若者たちはリスクをよくわかっていないのではないか」と批判する声もある一方、南京市城管の対応に「とても笑える」など好意的な反応も相次いだ。