ドラクロワの名画がポルノ? 検閲したFacebookが謝罪

「民衆を導く自由の女神」を使った広告が15分で掲載禁止に。ポルノとアートの境界線、どこに
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FACEBOOK/THÉÂTRE

Facebookは3月18日、19世紀のフランスにおけるロマン主義を代表する画家、ウジェーヌ・ドラクロワの作品「民衆を導く自由の女神」を含む広告を、検閲で一時掲載禁止したことを謝罪した。AFP通信などが報じた。

AFP通信によると掲載を禁止されたのは、パリで開催されている舞台「Coups de feu rue Saint-Roch」のオンライン広告。

18日、Facebookは、「上半身裸の女性を描写している」との理由で一時掲載を禁止。この舞台の監督を務めるジョスラン・フィオリーナ氏は、「広告は公開して15分ほどでブロックされ、ヌードを掲載することはできないとFacebookから通知があった」とAFP通信の取材に話している。

ルーブル美術館公式サイトによると、「民衆を導く自由の女神」で写実的に描写された裸体の女性は「有翼の勝利の女神像」に結び付けられている。またフランスで1978年から1995年まで発行されていた100フラン紙幣にも描かれてこともあり、共和国のシンボルのような存在だ。

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De Agostini/Getty Images

■Facebook上での「裸」の表現、論争も

これまでにもFacebookと芸術作品の「表現の自由」をめぐる議論は度々巻き起こっている。

ハフポスト・フランス版によると、2011年2月、パリのオルセー美術館で展示されているギュスターヴ・クールベの作品「世界の起源」の写真をFacebookに投稿した男性が、何の予告もなくアカウントを停止された。男性はこの件でFacebookを訴え、6年以上経った今でも裁判が続いている。

またFacebookは今年3月1日にも、旧石器時代に作られた彫像「ヴィレンドルフのヴィーナス」の画像を「危険なポルノ」として検閲で削除し、謝罪している。