「世界で唯一」女性が大統領と首相を務める国になったエストニア

初の女性首相となったカヤ・カラス氏は「ジェンダーのバランスが新しい内閣の重要な要素である」としている。
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ケルスティ・カリユライド大統領(2020年10月7日撮影)とカヤ・カラス首相(2019年3月5日撮影)
Reuters

エストニアで1月25日、初の女性首相が選出されたことを受け、同国では女性が首相と大統領を務めることになった。

現地メディアや在日エストニア大使館によると、エストニアは現在、女性が大統領と首相を務める世界唯一の国だという。

エストニアは1991年に旧ソ連から独立。人口およそ132万人の小さな国だ。

首相に就任したのは、改革党の党首、カヤ・カラス氏。時事通信などによると、カラス氏はヨーロッパ連合(EU)の元欧州議会議員。前首相のユリ・ラタス氏は汚職事件をきっかけに辞職していた。

AP通信によると、新内閣は、カヤ・カラス党首が率いる改革党と中央党の2党による連立政権。両党はそれぞれ7人から成り、新内閣はカラス首相を含めて計15人で構成されている。内閣15人のうち、女性が約半数の7人を占め、財務大臣や外務大臣など重要なポジションに就いている。the Guardianによると、カラス氏は「ジェンダーのバランスが新しい内閣の重要な要素である」としている。

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カヤ・カラス氏率いる新内閣(2021年1月26日撮影)
Janis Laizans / Reuters

エストニアの大統領を務めるのはケルスティ・カリユライド氏で、2016年に就任した。任期は5年のため、2021年9月に次の大統領を決める選挙が行われる。

AP通信によると、カリユライド氏が再選を狙うかどうかは発表されていないという。

2020年に幕を閉じた安倍政権の看板の一つは「女性活躍」だった。しかし現在の菅義偉新内閣20人のうち女性はわずか2人。これは国会の男女比そのままだ。2021年には、菅政権下で初めての衆院選挙が行われる見通しだ。候補者の人数を男女均等にする努力を政党に義務付ける「候補者男女均等法」制定から初めての総選挙。政治の現場のジェンダーギャップは、どうすれば埋めることができるのだろうか。