「新疆綿は使わない」と声明→中国で不買運動を受けたH&M、売り上げ28%減。「報いを受けた」中国メディア

新疆綿の使用の有無など、新疆ウイグル自治区に関する問題は多くの企業に課題を突きつけている。ナイキやアディダスなど大手スポーツブランドも同様に攻撃を受けた。

新疆ウイグル自治区産の綿花を使わないなどとした声明が中国で批判の対象となり、不買運動が起きていたスウェーデンの衣料品大手・H&Mが2021年3月〜5月期の決算を発表し、中国での売り上げはマイナス28%(前年同期比)だったことが分かった。

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香港のH&M店鋪
SOPA Images via Getty Images

■マイナス28%

H&Mは新疆ウイグル自治区産の綿花を使わないなどとした声明を過去に出していたが、2021年3月に突如「発掘」される形で、共産党系団体やメディアなどから「中国で大もうけしておいて、中国を中傷している」などと批判を受けた。

騒動は不買運動へと発展し、H&Mの商品は現地の一部通販プラットフォームからも取り下げられた。

H&Mは7月1日、不買運動の起こった時期と重なる3月〜5月期の決算を発表。全体の売上高は465億900万スウェーデンクローナ(約6兆500億円)とプラス62%(前年同期比)だった一方で、中国での売り上げは16億2400万スウェーデンクローナ(約211億2000万円)とマイナス28%だった。店舗数も13減少して489店となった。

この数字に中国メディアは「H&Mは報いを受ける結果となった」と報じた。

■「新疆綿」多くの企業に課題

新疆綿の使用の有無など、新疆ウイグル自治区に関する問題は多くの企業に課題を突きつけている。ナイキやアディダスなど大手スポーツブランドも同様に攻撃を受けた。

日本企業では、カゴメが新疆ウイグル自治区産のトマトの使用停止を発表している。品質や安定性などを総合的に勘案した結果だが、国際社会から少数民族に対する人権侵害が指摘されていることも判断材料の一つとなったという。

アシックスは当初、「中国に対する一切の中傷やデマに反対する」とする声明を中国のSNSに投稿。その後一転して削除し「中国法人が許可を得ず出した」と釈明したが、日本と中国のSNSの両方で批判的なコメントが寄せられた。

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、「人道に対する罪」に加担した疑いでフランス検察当局の捜査を受けた。朝日新聞デジタルによると、人権問題を扱うNGOによって「ウイグル族らが労働を強制されている工場で作られた製品を扱っている」と告発されていた。

ファーストリテイリングは5月、アメリカの税関・国境警備局に綿シャツの輸入を差し止められていたことが分かった際、「弊社製品の生産過程において強制労働が確認された事実はありません」などとコメントしていた。

ウイグル問題をめぐっては、G7(主要7カ国)が6月に出した首脳宣言でも「人権及び基本的自由の尊重」を求めることが盛り込まれた。中国政府は強制労働そのものを否定していて、「中国を中傷し、内政に干渉するものだ」と反発している。