「選挙は不正!」と主張し続ける熱烈なトランプ支持者を、保守系ニュース司会者が置き去りにして退席

手に負えなくなったマイピローCEOに、「ここでインタビューを止められますか?」と司会者が尋ねて立ち去った。
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マイク・リンデルCEO
Drew Angerer via Getty Images

「トランプ氏が2020年の大統領選挙で負けたのは不正行為があったから」という根拠のない主張を、保守派メディアはそのまま放送できなくなっているようだ。

保守系メディアのニュースマックスは2月2日、寝具メーカー「マイピロー」のマイク・リンデルCEOをゲストに迎えた。

しかしトランプ氏の熱烈な支持者であるリンデル氏が「トランプ氏が負けたのは選挙不正のせい」と主張し続けたために、司会者がインタビュー途中で退席。

皮肉にも、司会者が退席前にリンデル氏に尋ねていたのは「キャンセルカルチャー(問題ある発言や行動をとった人物や企業などを、ボイコットする行為)」についての質問だった。

アカウント永久停止について聞いたものの…

リンデル氏は、選挙は不正だったという陰謀論をTwitterに何度も投稿してきた。そのためTwitter社により、リンデル氏とマイピローのアカウントは永久停止された。

2日に出演したニュースマックスの番組で、リンデル氏はこのアカウント永久停止について聞かれた。

しかしリンデル氏はアカウント停止について答えるのではなく「ドミニオン・ヴォーティング・システムズ社の投票機はトランプ氏に不利になるように仕組まれていた」という証拠のない主張をまくし立てた。

ドミニオン社は、こういった不正を主張したリンデル氏やニュースマックスを訴える用意があると通告している。

インタビューを見る限りドミニオン社の警告をリンデル氏は気にかけていないようだが、ニュースマックスは真剣に捉えているようだ。

司会者のボブ・セラーズ氏は選挙不正を主張し続けるリンデル氏をさえぎって、同氏の主張は立証されていないと伝えた。

さらにリンデル氏が喋り続ける中で、次のような声明文を読み上げた。

「ニュースマックスは、これらの主張の証拠を確認できていません」

「こういった主張は、確固たる根拠があるものではないということを、視聴者にお伝えします」

声明を読み上げた後、セラーズ氏はリンデル氏に再度キャンセルカルチャーについて尋ねたが、それでもリンデル氏が選挙不正について一方的に話し続けたため「ここでインタビューを止められますか?」とプロデューサーに尋ね、席を立ってセットから姿を消した。

インタビューは残されたもう一人の司会者ヘザー・チルダーズ氏によって、幕引きされた。

予想外の展開に、Twitterでは「(コメディ番組の)サタデーナイトライブでも、これ以上のパロディは作れないだろう」など様々な反応が投稿されている。

ディプラットフォーミング(プラットフォームを使えないようにすること)の質問で、皮肉にもマイピローCEOのマイクの音量が下げられた。そして彼が喋っている間に司会者の一人が自分を法的な危険から守るために会社の声明を復唱し、離席した

A. ニュースマックスは、裁判を真剣に心配している
B. マイク・リンデルには、壁に詰め物をしたプライベートルームが必要
C. サタデーナイトライブもこれより面白いパロディは作れないだろう

 信じられないかもしれないが、これはサタデーナイトライブではなく本物のニュース。違いが段々わからなくなってきてるけれど…

手に負えないゲストが選挙不正を一言でも口にした場合に備えて、ニュースマックスの司会者が机の上に会社の声明文を準備しているのがいい

 ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

(翻訳:安田聡子 @satokoysd