「わたしはパタハラを受けた」男性社員が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を訴えた理由

「大好きな会社を良くしたいから声をあげた」
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GLEN WOOD

男性の育休取得を邪魔したりすることを、「パタハラ」と呼ぶ。女性への「マタハラ」と対になる言葉だ。

日本の三菱UFJモルガン・スタンレー証券、機関投資家営業部のグレン・ウッド特命部長は、2015年に育休の取得申請をしたところ、それをきっかけにパタハラを受けてうつ病になったと主張。

病気休暇をとって復職可能と診断されたにもかかわらず、不当に「無給の休職」を命じられたと話す。

「私は日本も自分の仕事も大好きです。それなのに息子が産まれた後、その両方から裏切られた気持ちです」とカナダ出身で47歳のウッド氏はハフポスト・カナダ版に述べた。

パタハラは、日本のビジネス界で広く存在する問題だ。

日本では、父親の育児休暇は法律で保証されている制度だが、取得する男性は3%にすぎない。

「人権侵害、法律違反があるのなら、きちんと対処すべきです。子どもを育てながら、働き続けることは、誰もが持っている人権です」と、ウッド氏は語った。

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Japanese woman talking on the mobile phone surrounded by commuters walking to work.
Getty Images

■ 精神的・肉体的に追いつめられる

ウッド氏はシングルファザー。2015年に産まれた息子のアレクサンダーは現在2歳だ。

最初に育休を申請したとき、会社の返事は「不可能」だった。申請は何度も却下されたという。

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GLEN WOOD

ウッド氏によると、アレクサンダーが産まれたのは2015年10月。出産は予定日より6週間早く、集中治療室で過ごした。とても危険な状態だった。

育休が認められるのをギリギリまで待ったが、結局、認められる前に休むことになってしまった。

「会社は明らかに、わたしを追いだそうとしていました」とウッド氏は述べる。

ブルームバーグが入手した裁判所への申立てによると、育休申請は、DNAテストで親子関係が証明できた12月まで、認められなかった。

2016年3月に職場復帰したが、復帰後、会議や採用面接、海外出張から外されたという。ハラスメントは精神的、肉体的な限界まで続き、職場で倒れてしまった。

「まるで女子高生のクラス内でのいじめのように、私は仲間はずれにされました。私は仲間はずれにされました。会議に呼ばず、私を見ず話しかけもしませんでした」と、ウッド氏はカナダのナショナルポスト紙に語る。

6カ月の病気休暇を取らなければいけなかった。その後、降格と給与カットを断って職場に復帰すると、無給の休職扱いにされた。「それは私にとって、解雇に等しい扱いでした」とウッド氏は語る

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YOUTUBE/BRAND 2020

ウッド氏は、自分の仕事を取り戻すために声をあげた。

ジャパン・タイムズによると、ウッド氏は10月、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を相手取って、休職命令は無効だとする訴えをを東京地裁に申し立てた。

「これは、外国人の社員が日本のルールに従わなかったために起きた問題ではありません。むしろ逆で、私は日本のルールに従っただけ。そして、それを会社にも求めているだけです」とウッド氏はハフポスト・カナダ版に話した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、ハラスメントを受けたというウッド氏の主張を否定している。

同社はジャパンタイムズに「われわれは育児休業を取りたいと望む男性社員を積極的にサポートしています。グレン氏には、仕事を続けるためにの最大限の支援をしました」と語っている。

ウッド氏はハフポスト・カナダ版に、自分が働いている会社が「最も信用されるグローバル金融機関」となって欲しいから、今回の訴えを起こしたと話す。

「そうなれる会社なのです。しかしそこに到達するためにはまだまだやるべきことがあります」

「私は元の職に戻り、それを達成するための力になりたい。そして他の人が同じ問題に苦しまなくてもいいようにしたい」

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