シアトルで開かれた人種差別抗議デモに、猛スピードの車が突っ込む。参加者1人が死亡、1人が重傷

亡くなったテイラーさんをサポートするためのクラウドファンディングには、目標額の倍を超える金額が集まっています

アメリカ・ワシントン州シアトルで開かれていた人種差別抗議デモに車が突っ込み、参加者1人が死亡し、1人が重傷を負った。車の運転手は現場から逃走したが、拘束された。

亡くなったサマー・テイラーさんと重傷を負ったディアス・ラブさんは7月4日、シアトルの高速道路で開かれていた黒人への暴力や差別に反対する「Black Lives Matter」デモに参加していた。

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クラウドファンディングのページに掲載されたテイラーさんの写真
gofundme

高速道路はデモに先立ち閉鎖されていた。しかし、1台の白い車が高速道路に侵入し、午前1時40分頃にテイラーさんらがいたデモグループに突っ込んだ。

デモ参加者の周りには、彼らの安全を確保するための車が止められていた。しかし現場で撮影された動画には、白い車がその車を避けながらデモ参加者たちに向かって突進し、複数の人物をはねる様子がうつっている。

現場に居合わせたワシントン州パトロール隊のリック・ジョンソン氏は、「一台の車が閉鎖されていた高速道路を走ってきて、高速道路にいた何人かの歩行者をはねた」とツイートしている。

車を運転していたダウィット・ケレト容疑者は現場から逃走したが、デモ参加者の一人が1マイルに渡って車を追跡し、前方に回り込んで止めたと州警察がAP通信に述べている。ケレト容疑者はその後、警察に拘束された。

同容疑者が意図的にデモ参加者を狙ったかどうかはまだ明らかになっていない。警察は、動機と封鎖されていた高速道路にどこから侵入したかなどを調べている。
ワシントン州パトロール隊長のロン・ミード氏は、ケレト容疑者がいくつかの重罪に問われる可能性があると話している

事故の後、テイラーさんは集中治療を受けたが、惜しくも命を落とした。テイラーさんの医療費を支援するために立ち上げられたクラウドファンディングには、スタートしてから1日で目標額の倍を超える金額が集まっていた。同サイトによると、テイラーさんは地元の動物病院で働いていたという。

また同サイトは、テイラーさんの単数代名詞にノンバイナリー(性別を女性・男性どちらでもないと認識する人)を表す「they」を使うよう求めている。

テイラーさんの元同僚で友人のキーナン・カマチョさんはニューヨークタイムズに、トランスジェンダーであることをテイラーさんにカミングアウトした際に、テイラーさんがサポートしてくれたと語っている。

一方、重傷を負ったラブさんは、シアトルにある病院の集中治療室で治療を受けている。

ラブさんははねられる直前までデモの様子をFacebookライブで発信しており、動画の最後には「車が来る!」と周りの人が叫ぶ声が記録されていた。

ラブさんを支援するためのクラウドファンディングページにも、ラブさんの単数代名詞に「they」を使うよう書かれてる。

カマラ・ハリス上院議員のツイート「胸が張り裂けそうな出来事です。まだ24歳だったサマー・テイラーさんは平和的にBlack Lives Matterの抗議をしていた最中に車にはねられました」