クリスマスカードに「中国の刑務所で強制労働」報道に...中国側は記者へ個人攻撃「捏造だ」「実に古臭い」

「世界に対して嘘しか言い返さない」と執筆した記者も反論
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イギリスの大手スーパー・テスコで販売されていたクリスマスカードに、「上海の刑務所で強制労働をさせられている」などと外国人受刑者から助けを求めるメッセージが書かれていた

この問題について中国側は、記事を「古臭い捏造」などと批判した上で、執筆した記者の人格を否定する発言を繰り返した。

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中国外交部の耿爽・報道官
Getty Images

■6歳の女の子が発見

この問題が英紙The Sunday Timesで報道されたのは12月22日。ロンドン南部に住む6歳の女の子が友人に送ろうとテスコでクリスマスカードを購入したところ、すでにメッセージが書き込まれていた。

内容は上海の青浦刑務所に収容されている外国人受刑者が書いたものとされ、「意志に反して強制的に働かされています。助けてください。そして人権団体に連絡してください」と綴られていたという。

この報道を受け、テスコはカードが生産されていた工場での生産を停止した

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メッセージが書かれていたカードと同じデザインの表紙
DOMINIC LIPINSKI - PA IMAGES VIA GETTY IMAGES

■皮肉を交え「口撃」

中国側は、この報道に対して火消しを急いでいる。

中国外交部の耿爽(こう・そう)報道官は、12月23日の定例記者会見でこの問題について指摘されると、記事を執筆したピーター・ハンフリー記者の人格を否定する発言を繰り返した。

フィナンシャル・タイムズなどによると、ハンフリー記者自身も、問題となった刑務所におよそ2年間服役した経験がある。

耿報道官は記事について「イギリスの報道は目にしたが、これはハンフリー記者の捏造だ。彼は自身が忘れられるのを恐れるあまり、時々こういうことをするが、実に古臭い。目を引きたかったら、せめてもう少し新しいものを作るようにアドバイスしたい」と皮肉を交えて答えた。

また、青浦刑務所の李強・監獄長も国営放送CCTVに登場。服役囚の労働については「自ら望んで行い、報酬も得ている」などと釈明した。

AFP通信によると、こうした中国側の説明についてハンフリー記者は「本当に予期した通りだ。世界に対して嘘しか言い返さない」などと反論しているという。

中国は、新疆ウイグル自治区などに作られた「再教育キャンプ」について、国連で「恣意的拘束をやめるように」などとされた共同声明が出されるなど、人権を巡って国際社会の批判を受けている。今回の一連の報道は、国内の人権状況を対外的に説明する必要が高まっている中国にとって、新たな火種となる可能性もある。