「今まで経験した何よりも魔法」と反響。『アナ雪』のエルサ、新型コロナで落ち込む子達への歌のプレゼント

エルサは「孤独」について、よく知っている。
Open Image Modal
地域の家の前でエルサに扮して歌を披露するキャシー・テイラーさん。
Facebook / We Bring the Party Sudbury

「真っ白な世界に、ひとりの私ー」

これは、2010年の『アナと雪の女王』でエルサが歌う、有名な歌詞の一部だ。

あれから10年経った今、この曲はソーシャルディスタンスによる孤独に悩む多くの人の心に響いている。新型コロナウイルスのパンデミックにより、特に子ども達や家族と離れて住む高齢者が強い影響を受けている。

そんな時、みんなを励ますのに「雪の女王・エルサ」を他において最適な人がいるだろうか?

カナダ・オンタリオ州、サドベリーの高齢者や子ども達は、そのエルサのパーソナル・コンサートを楽しむ機会を得た。22歳のパフォーマー、キャシー・テイラーさんは、地域の家の私道や窓に向かい、魔法のような歌を披露した。

地元のコミュニティウェブサイトSudbury.comのYoutube動画では、エルサ(時にはアナも)のドレスを纏ったテイラーさんが老人ホームを訪ね、住人を元気付ける様子が映されている。また子ども達も、家の私道やバルコニーから彼女のパフォーマンスを楽しんだようだ。

ある時は、見ていた女の子のディズニーファンの父親も参加し、デュエットもしたことも。

そしてパフォーマンスの最後には、エルサは小さなファン達にメッセージを送った。

「なぜ家にいなくてはいけないか理解できないかもしれない。時に、それは怖いかもしれない。でも、その門は必ず開く時が来ると約束するわ。そしてその時は、全てをレット・イット・ゴー(解き放つこと)できるのよ」

カナダのテレビ局CTVによると、テイラーさんは1日に最多で10回もコンサートを行なっているそうだ。新型コロナの影響で無力感や不安を感じている子どもを持つ多くの親から、たくさんの依頼を受けているという。需要が多いため、彼女はアウトドアショーに加え、Facebookで歌や工作などの配信をする予定だという。

テイラーさんがこのコンサートを始めるきっかけとなったのは、彼女の友達ビアンカさんの娘・ティファニーちゃんが、新型コロナのウイルスの悪夢に悩まされていると聞いたことだった。ティファニーちゃんを元気付けるために、「もしエルサやアナがきたら少しは助けになる?」と尋ねたという。

ティファニーちゃん一家はディズニーが大好きで、『アナ雪』で姉妹が孤独に悩む姿は今の状況に通じるものがあると思い、訪問をお願いすることに。結果、ティファニーちゃんは大喜びだったようだ。

母のビアンカさんは、「個人的に、これは今まで経験した何よりも魔法のようだった。すごく泣いちゃって、カメラを持っているのが必死だった」とFacebookに投稿した。そして、そのコンサートが一家全員に必要なものだったと加えた。

不安を溶かすことが、まさに彼女がコンサート活動を通じて目指していることだ。

「誰かの人生に何らかの影響を及ぼせることを知り、ここでパフォーマンスできることにとても感謝していますとテイラーさんはSudbury.comに語った。「いつも他の人を助けることや社会奉仕が好きでしたが、このような困難な時にコミュニティを1つにできることを、とても嬉しく思っています」

ハフポスト・カナダ版の記事を翻訳・編集しました。