76歳アジア系女性、男に突然殴られる ⇒ 棒で反撃、病院送りに(サンフランシスコ)

アジア系を標的にしたヘイトクライムが、アメリカで深刻化している。

アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコの路上で、76歳の女性が男に突然襲われる事件が発生。家族は「とても恐ろしく、トラウマになっている」と語った。

事件があったのは3月17日。ジョージア州で、6人のアジア系女性を含む8人が銃撃され死亡した事件の翌日だった。女性はサンフランシスコ都心部の路上で信号待ちをしていたところ、男から突然顔を殴られた。女性は身を守るために男を棒で殴り返した。

事件直後のビデオには、血のついたティッシュと保冷剤のようなものを顔に当てて患部を冷やす女性が映っている。女性を攻撃したとみられる男は口から血を流しており、担架に載せられて病院に運ばれた。

女性の娘は、KPIXのインタビューに「母はめまいを訴えている。とても怖い思いをしてトラウマを抱え、ひどく傷ついています」と語った。けがをした方の目は今も見えていないという。

今回の女性への攻撃は、新型コロナウイルスの感染が広がった2020年初頭からアメリカで急増している、アジア系をターゲットにした人種差別に基づく暴力事件の一つ。

カリフォルニア州立大学の「憎悪・過激主義研究センター」の報告によると、アジア系や太平洋諸島系に対するヘイトクライムは2020年、アメリカの主要都市で150%増加した。

民間団体「ストップAAPIヘイト」によると、2020年3月以降、アジア系に対する人種差別に基づく暴力行為が3795件報告されたという。唾を吐かれたり、身体的に暴行を受けたりした被害が確認されている。被害者のうち女性は3分の2を占めていた。

サンフランシスコ警察はハフポストの取材に、女性を暴行した容疑で男が逮捕され、さらに別の暴力事件に関与した疑いもあると語った。詳細は明らかにしていない。

2人目の被害者は、買い物中に女性と同じ地域で攻撃された83歳のベトナム人男性と特定された。男性は鼻の骨を折るなどのけがを負い、病院に搬送された。

 

(この記事はハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。)