青年校長5年目。一緒に働く仲間が決まった!

感覚的に皆が「この人と仕事をしたい!」と同時に思ったのです。

こんにちは、バングラデシュで学校運営をしているK.Furusawaです。

今回は前回に続いて、学校開校に伴う教職員採用にまつわるお話です。

最終面接は、これまでの採用試験の中でも最も重要なため、緊張感が増します。そんなことから、現在在職している教職員60名の面接内容は、今でもたいてい覚えていますね。

そんな最終面接時、私が特に意識していることをお伝えします。

いよいよ最終面接......

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K.Furusawa

最初は約600名の書類選考から始まり、最終選考では各教科2~3名ずつ(事務員含む)計20名の候補者が残りました。成績が優秀なだけでなく、即戦力になる授業力ももっている方々です。

初年度は土地などの問題もあったので(リンク)、1学年だけのスタートをするため8名だけを採用します。

私たちとしては、採用者を授業だけをする教師として働いてもらおうとは考えておらず、今後モデル校としてバングラデシュに広めるために、将来的に学校マネジメントができる資質がある人かどうかも見定めています。

最終まで残った方々は、皆それぞれ良い個性をもっていて、ここまでくると正直、誰を選ぶか甲乙つけがたいですね。

お金で動く人には......

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面接時に意識していること。そのひとつめは、「お金で動く人には注意!」ということです。

最終面接時、参考までにこちらがその時点で考えている給与を先方に提示します。

それまでの経験と年齢によって額は一人ひとり違いますが、前もって最低給与額は募集時に伝えていましたし、事前の現地調査からバングラデシュでの教員の平均給与よりはかなり良い金額を提示するようにしました。

ただ、そういった中、個別に給与額を提示すると「私は〇〇大学卒業だからもっと多くもらえてもよいと思う」や「もう少し上げてほしい」、「他の人はいくらですか?」など、お金にまつわる交渉が意外によく出ます。

もちろん、このような交渉があってもおかしくないわけで、それぐらい自信をもって交渉することは大切だと思います。

しかし、私たちの想いとして、そういったこと以上に「この国の教育をより良くしたい」、「一緒に成長したい」などといった想いが優る方を採用したいのです。

給与の話になると急に表情が変わり、その人のもつ「想い」以上に給与額を気にする人が多数います。

そういった話に流れた時は、まず相手の意見を聞いて、その後もう一度確認のために「この学校でなぜ働きたいのか」「希望の給与額を出すことができなかったら、私たちと働かないのか」などと質問をし、彼らの本心を探ることに時間を費やすこともありました。

もう一度言いますが、交渉自体が悪いのではありません。ただ、私たちとしては、お金で動くような人は、他からもっと良い金額での声がけがあったら、すぐそちらに流れてしまう可能性もあると考え、給与額の交渉をしてきた人に対しては、より神経を使って面接しました。

最後は「直感」が決める

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面接時に意識していること。ふたつめは、「この人と一緒に仕事がしたい!」と私が本気で思えるかどうか。

面接時には、応募者のそれまでの選考での成績などの情報が手元にあります。しかし、最終面接時は先入観をなるべく排除するようにして、応募者の雰囲気や人間性を純粋に見ようと集中しています。

今でも、あの時の自分の直感は当たっていたと思っているのですが、残りの面接者が1名になった時のことです。

最後の面接者は社会科教員として応募してきた方でした。既に社会科教員として実績のある方がいたので、その方を採用しようとメンバー内では話がまとまっていたのですが、ある最終面接者が部屋に入ってきた時......部屋の空気がガラッと変わりました。

真面目な人柄と透き通るような瞳、そして彼の話す言葉がストレートに私に入ってくるのです。

私だけでなくそこにいた採用メンバー全員が同じような感覚になったと、後ほど聞きました。

言葉にはできないのですが、感覚的に皆が「この人と仕事をしたい!」と同時に思ったのです。結局、決まりかけていた候補者は置いて、満場一致で彼を採用しました。

その後、彼はクラス担任や教科指導だけでなく、さまざまなプロジェクトを私たちと一緒に進めるまでに成長し、現在は私の下で教頭をしています。

この時はうまく言葉にできない直感があっただけでしたが、この経験から、他の面接時でも「この人と仕事がしたい!」と本気で思えるかどうかを最後、自分に問いかけてから最終判断をしています。シンプルですが、この問いが最終的な決め手になり、今のところ採用で大きな失敗したことはありません。

採用は、終了してからがスタート

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K.Furusawa

数ヶ月間、教員採用に時間もエネルギーを注いできました。

初年度は事務員含む8名を採用。ようやく一緒にモデル校を構築するための仲間が決まりました。ここからが始まりです。

私のミッションのひとつに、採用した彼らへの教育があります。

教員次第で、生徒の成長も大きく変わってきます。そして、その教員が成長するかどうかは私たちにかかっているのです。教師としてというより、人としてより大きく成長させることがこの学校のためになり、ゆくゆくはこの国のためになります。

それを見据えた教員研修プログラムの計画を、採用時から作成していました。

次回は、その教員研修について書いていきます。

Ambassadorのプロフィール

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K.Furusawa

K.Furusawa

宮城県仙台市出身。大学在学中はプロキックボクサーとして活躍。卒業後は日本の私学教員をやりながらタイ、カンボジア、ネパール、ミャンマーなどアジアの教育支援に携わる。その後、とある公益財団法人の仕事としてバングラデシュでモデル校となる学校建設・運営を任される。現在は生徒数約800名の学校をバングラデシュで運営中。