手術用マスクをつけて、コロナビールを…。 “コロナウイルス・パーティー“に参加した大学生が謝罪

同大学の生徒たちは、過去にも差別的なパーティーに参加し批判を受けた。

カナダのオンタリオ州にあるクイーンズ大学に通う学生が、コロナウイルスをテーマにしたパーティーに参加し、その後謝罪した。  

このパーティを初めに報じたのはクイーンズ大学の校内新聞『Queen’s University Journal』で、2月1日に行われたパーティで撮影された同大学の学生を含む参加者が、「生物災害(バイオハザード)」を表す記号で飾り付けられた部屋で、手術用マスクを着用しコロナビールを飲む学生の姿が掲載されていた。

この新聞には、既に投稿者によって削除されたInstagram写真が掲載されており、写真の中には「infect me Daddy(意訳:私にうつして)」というキャプション付きのものもある。このパーティーに参加した1人で、学生自治会にも所属している学生は2月3日、Facebook上で謝罪した。

投稿には、「私は2020年2月1日土曜日にコロナ・パーティーに参加しました。これは悪趣味な行いでした。申し訳ございませんでした」「パーティに参加したことは、クイーンズ大学内外の多くの人々に影響を及ぼしている深刻な問題を、あからさまに軽視する行いでした」と述べられていた。

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キングストン州にあるクイーンズ大学のキャンパス(2019年5月24日撮影)
LARS HAGBERG/THE CANADIAN PRESS IMAGES

WHO(世界健康機関)は、中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスを「世界的健康危機」と明言している。世界各地で3万人以上の感染が報告されており、中国で600人以上が亡くなっている(2月7日時点)。カナダ政府によると、カナダでも5件の感染報告(2月6日時点)があり、うち3件がオンタリオ州、2件がブリティッシュコロンビア州となっている。日本国内の感染者は86人と報じられている(2月7日時点)。

 

アジア人差別も 

新型ウイルスの発生は、アジア人やアジア系移民に対する多くの差別も引き起こしている。

このパーティーのニュースが発覚した後、同大学・学長のパトリック・ディーン氏はこの大学のコミュニティ全体に向けて、感染の拡大と共に発生している「陰湿な社会的問題に向き合って、直接的に闘う」と述べた。

「恐怖から生まれる行動や、誤った情報や思い込みは、私たちのコミュニティにいる人全てに害を及ぼします。無知に身を任せ、中国やアジア系の学生たちを排斥することは、我が校の国際的な風土を分裂させます。そしてそういった行いは断固として絶たなくてはなりません」と彼は綴った。

更に、「今こそ団結し、尊厳と敬意を持って互いを思い合う時です。このウイルスは無差別に感染します。私たちの最も偉大な武器は、正しい知識と、適切な予防を行うことです」と続けた。

同大学の学生団体「The Alma Mater Society」も、2月3日にこのパーティを非難する声明を出している。

「私たちはさらに改善していく必要があります。特に、世界に影響を及ぼす問題について会話をする際は尚のことです」と述べ、「私たちは無知やヘイトを越えて行かなくてはいけません。個人の気持ちや意見を軽んじたり、無いものとしてしまうことは、差別的な発言を促すだけです。そしてそのような差別は、このキャンパスにいる全員で排除していくべきものです」と続けた。

「未来のリーダーとして、自分たちの言葉や行動には意味があるということを考慮し、模範を示していかなくてはいけません」

 

過去にも

同大学の生徒たちは、以前にも問題視されたパーティーに参加しニュースとなった。2016年には、キャンパス外で人種差別的なステレオタイプな服装をして参加するパーティーが行われ、批判を受けた。

SNSで拡散された写真では、生徒たち(多くは白人)が、中東の男性やベトナム戦争時代に南ベトナム解放民族戦線に参加した”ベトコン”、僧侶の服装をしていた。 

ハフポストカナダ版を翻訳、編集しました。