アフガン女子サッカー元主将、仲間へ訴え「ユニフォームを燃やして」タリバンから命を守るため

アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが政権を掌ったことを受けて、同国女子サッカー代表チームの元主将カリーダ・ポパルさんが、祖国に残る女子選手たちに向けて、「(SNSの)写真を消し、代表チームのユニフォームを燃やすなど処分して」と訴えている。
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アフガニスタン女子サッカー代表の元主将カリーダ・ポパルさん
REUTERS

アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが政権を掌握したことを受けて、同国女子サッカー代表チームの元主将カリーダ・ポパルさんが、祖国に残る女子選手たちに「身の安全のために、(SNSの)写真を消し、代表チームのユニフォームを燃やすなど処分して」と悲痛な訴えをした。 

ロイター通信とのインタビューで語った。

ポパルさんは、「私たちはサッカーを、自分たちの権利を主張する手段、そしてタリバンに対して自分たちは強いアフガン女性だと示す手段にしてきました。タリバンの支配地域で、彼らがどれだけ同胞女性たちを石で打ち、レイプし、殺しても、私たちを黙らせることはできないのだと」「そうして強く対抗してきた女子選手たちのすぐそばに、敵が迫っているのです」と話した。

ポパルさんによると、祖国に残る女子サッカー選手や、タリバンに反対してきた活動家は助けを求める先を失い、命の危険を感じて非常に恐れているという。

その上で、「いま彼女たちに、安全のために名前を消し、身分証明をはずし、写真を(SNSから)削除するよう呼びかけています。代表チームのユニフォームを燃やすなど処分することすら求めています」と明かした。

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カリーダ・ポパルさん
DANIEL LEAL-OLIVAS via Getty Images

AP通信にも「私たちは女性の地位向上のために長年がんばってきたのに、今は女性たちに口を閉ざして姿を消しなさいと言うことに胸が張り裂ける思いです。でも命の危険が迫っているんです」と苦しい心情を吐露した。

BBCなどによると、ポパルさんは2007年にアフガニスタン初となる女子サッカー代表チームの結成に尽力し、選手やチームディレクターとしても活躍してきたが、女性がサッカーをするのはイスラムの教えに反すると考える勢力から殺害すると脅されたり、迫害を受けたりしたため、2011年に祖国を離れ、2016年にデンマークに亡命した。

タリバンは、1996年から2001年に政権を握った際に女子教育や就労などの社会進出を禁じて国際的な批判を浴びた。タリバンは今回、女性の権利を尊重すると表明して融和的な姿勢を見せているが、その実効性を不安視する声は国際社会に根強くある。