「ジロジロ見るのはセクハラ」に反論し地下鉄で“実験”。雑誌記事に批判が集中 イギリス

イギリスでは3月、地下鉄内で男性が女性をジロジロと見つめたのち出口を塞ぎ、意図的なハラスメントをしたとして有罪判決となり、22週間の禁固刑を受けた。
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イギリスの地下鉄内の様子(イメージ画像)
Emad aljumah via Getty Images

イギリスの週刊誌『スペクテイター』が、男性が「女性をじっと見つめる」権利を記者が支持する記事を掲載し、批判を浴びている。

2021年からイギリスの公共交通機関内で行われているセクハラ撲滅キャンペーンでは、盗撮や接触、性的にジロジロ見つめるなどの行動が「セクハラ」の例として挙げられている。

最近では「性的にジロジロ見ることはセクハラであり、許されるものではない」という警告ポスターが話題になっている。

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「性的に人をジロジロ見ることはセクハラであり、許されるものではない」という警告ポスター
TRANSPORT FOR LONDON

記者のコスモ・ランデスマン氏は「凝視を支持する」というタイトルの記事でその警告ポスターに言及し、「調査のため、女性をじっと見つめるために地下鉄に乗った」という。「セクシーな視線」「スケベ視線」などを試したそうだが、「男性でも女性でも、美しい顔の持つ引力に抵抗するのは不可能」と記した。

この「調査」について、「変なのはわかっている。誰かが居心地悪そうにしたらすぐに止めるつもりだった。でも、性的だろうが無かろうが、人をじっと見つめることは難しい。多くの男性は弱気でアイコンタクトさえできない。親には『ジロジロ見るのは失礼だ!』と教えられ、#MeToo活動家からは『じっと見るのは性差別だ!』と言われ、凝視しないよう適応してきたのだ」と綴った。

彼は様々な視線を試した結果、忍び笑い、笑顔、軽蔑の眼差しなどの反応があったというが、殆どの女性は携帯電話を見るのに忙しく、彼が凝視していたことに気づかなかったという。

この記事に対してSNSでは「ただの視線と不快な視線の違いくらい分かるはず」「女性たちは視線に気づいていなかったのではなく、気づかないふりをしていただけ。それが危険を助長しない最善策だから」などと批判するコメントが多く投稿された。

そして、警察もこの記事に対して黙っていなかった。

イギリス交通警察はTwitterで、「こうした行為を受ける側である女性たちは、それが「ジロジロ」した視線であるかどうか判別がつきます。そして私たちは常に真剣に受け止めます。もし不快な思いをしたら、すぐ連絡をください。あと、『スケベ視線』を試すために地下鉄には乗らないでください」と投稿した。

イギリスでは3月、地下鉄内で男性が女性をジロジロと見つめたのち出口を塞ぎ、意図的なハラスメントをしたとして有罪判決となり、22週間の禁固刑を受けた。

ハフポストUK版の記事を翻訳・編集・加筆しました。