黒人青年が母から言われた「16のやってはいけないこと」が、黒人にとって警察がどれほど脅威かを教えてくれる

普段何気なくやりそうな行為が、黒人の人にとっては命の危険になりうる、とルールは伝えています
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18歳の黒人男性キャメロン・ウェルチさんがTikTokに投稿した動画が、大きな反響を呼んでいる。

アメリカ・ヒューストンに住むウェルチさんがシェアしたのは、「母が作ってくれた若い黒人が従うべき暗黙のルール」だ。

全部で16あるルールには、日々の生活で自分の身を守るために気をつけなければいけないことが綴られている。

ルールには「ポケットを手に入れてはいけない」から「買わないものを触らない」など、私たちが普段何気なくやっていることがたくさん含まれている。

しかしその行為が黒人の人たちにとっては命の危険になり得る。

 【母が作ってくれた若い黒人が従うべき暗黙のルール】

・手をポケットに入れてはいけない

・パーカーのフードをかぶってはいけない

・シャツを着ないまま、外に出てはいけない

・一緒にいる相手がどんな人か確認する。たとえ路上で会った人でも

・遅い時間まで外で出歩かない

・買わないものを触らない

・たとえガム一つだったとしても、何かを買ったらレシートかレジ袋なしで店を出てはいけない

・誰かと言い争いをしているように見せてはいけない

・身分証明書なしに外に出てはいけない

・タンクトップを着て運転してはいけない

・ドゥーラグ(頭に巻く、スカーフのような布)をつけたまま運転してはいけない

・タンクトップを着て、もしくはドゥーラグを巻いて出かけてはいけない

・大きな音楽をかけて車に乗ってはいけない

・白人の女性をじっと見てはいけない

・警察に職務質問されたら、反論してはいけない。協力的でありなさい

・警察に車を停止させられたら、ダッシュボードに両手を乗せて、運転免許証と登録証を出してもいいか尋ねなさい

声を上げなければいけないと思った

ウェルチさんはこのリストを、11歳になるまでに覚えたという。

アメリカでは現在、警察官に首を押さえつけられて亡くなったジョージ・フロイドさんの死に抗議する大規模なデモが各地で行われている。

連日続くデモは、人種差別と警察の暴力に苦しめられてきた黒人の人たちの怒りの大きさを物語っている。

ウェルチさんはハフポストUS版のインタビューで、「今この時に、声を上げなければいけないと思った。だから動画を投稿した」と語った。

黒人の男性が日常的にどんなことを経験しているのかを、多くの人に知って欲しかったのだという。

ウェルチさんはまた別の動画で、黒人男性ならではのエピソードを語っている。それは、友人と別れ際に交わす言葉だ。

多くの人は友人と別れる時に「またね」と言うだろうが、自たちは「またね」ではなく「安全にね」と言うとウェルチさんは説明する。

「黒人の男の人は全員、『今日、安全に家に帰りつけるか』という気持ちを持っているんです。それを変えたい」と、ウェルチさんは動画で語っている。

ウェルチさんが投稿した母の教えを伝える動画は、現時点で300万近く「いいね」されており、コメントの中には「自分も同じように言われた」というマイノリティの人たちと思われる投稿も多数ある。

ウェルチさんは動画を見た人に「こんな社会を変えなければいけない」と感じて欲しいと語る

「 私たちは変わらなきゃいけないと、と見た人に感じてもらいたいです。誰一人こんな社会に住んではいけないって」

 

【訂正 2020/06/06 23:30】

「wifebeater」を当初「妻や女性に暴力を振るう人」と訳しておりましたが「タンクトップ」の間違いでした。